滝本資料20 オウム真理教信者等に他する社会復帰対策の推進について

ー平成11年12月17日 オウム真理教対策関係省庁連絡会議

(1) オウム真理教信者等からの相談受理体制

ア 警察庁
全国の警察において、信者等(元信者、信者の家族等)からの各種相談を受理し、脱会についての相談には、誠実に対応する。また、信者の家族等からの捜索願には、迅速・適切に対応するとともに、脱会者が保護を求めてきた場合には、関係機関を通じて福祉施設や医療施設等に引継を行うなど適切な保護活動に努める。
教団施設周辺の臨時交番においては、警戒警備活動を行うとともに、信者等からの各種相談を受理し、また、地域住民からの苦情・不安に関する相談等各種相談を受け付ける。

イ 法務省
人権擁護委員や人権擁護担当部局を活用した人権相談所(各法務局及び地方法務局におけるオウム真理教関係常設人権相談所における人権相談、人権擁護委員の自宅相談、デパート等の会場における特設相談)において相談を受け付けるとともに、その利用を呼びかけるPRに努める。
法務局・地方法務局の全本局に、オウム真理教関係常設人権相談所を開設するなど、専門の人権相談窓口を設置し、様々な広報媒体を通じて、その周知に努める。

ウ 文部省
市町村教育委員会における就学事務が適切に行われるよう、都道府県教育委員会を通じて情報収集に努めるとともに、関係省庁と連携しながら対応する。

エ 自治省
信者等の社会復帰対策を総合的かつ円滑に遂行するため、相談窓口の体制整備を図る等適切に対処するよう地方公共団体に対して通知する。

(2) オウム真理教信者等に対する精神的ケア

ア 法務省
服役中の受刑者については、職員や篤志面接委員による面接指導及び本人の希望を前提とした仏教、キリスト教等の宗教関係者による教誨を行うとともに、刑務作業の実施と生活指導により社会生活習慣の付与と労働意欲のかん養等を図る。
オウム真理教関係者に対する保護観察においても、生活歴、性格、犯罪行為の内容等から把握される問題点を配慮して行う。

イ 厚生省
オウム真理教の信者や元信者に精神疾患や心の健康の問題が生じた場合には、各都道府県、政令市等の保健所や、精神保健福祉センターといった精神保健の各機関において、相談等に応じる。

(3) オウム真理教信者等に対する生活支援

ア 厚生省
出家して全財産を失った者に対しては、福祉事務所等において施設入所を含めた各種相談を受け付けるとともに、生活保護制度の適用も含めて適切に対応する。
児童の保護が必要な場合には、関係省庁と連携しても児童相談所において個々の状況に応じて、親族による引取り、児童相談所への入所等の適切な対応を行う。

イ 労働省
公共職業安定所において、オウム真理教信者等であって就職を望む者に対して、綿密な職業相談及び職業紹介を実施し、就職の促進を図る。
上記の者に対し、必要な場合には、公共職業訓練を行い、就職に必要な職業能力の向上を図る。ーーーーーーーー以上


滝本資料19 参議院附帯決議

無差別大量殺人を行った団体の規制に関する法律案
に対する附帯決議

この法律の施行にあたっては、政府は、次の事項について格段の配慮を巣べきである。

一 政府は、この法律の適用に関しては、いやしくも、日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限することのないよう、及び、労働組合その他の団体の正当な活動を阻害することのないよう、厳に留意すること。

二 政府は、無差別大量殺人を行った団体が以前として危険な要素を保持している場合には、この法律を適用して厳正に対処し、国民の生活の平穏を含む公共の安全の確保に寄与するよう努めること。

三 政府は、公安審査委員会の職権による観察処分の取消権の適正な行使に資するため、立入検査の実施に当たっては濫用にわたらないよう、公安調査庁長官において、あらかじめ立入りを行う土地又は建物の所在及び立入りの予定日を公安審査委員会に通報すると共に、その立入検査の結果を公安審査委員会に報告するなどの細則を定めること。

四 政府は、この法律により規制処分を実施した団体から離脱し又は離脱しようとする当該団体の役職員及び構成員並びに離脱した者の社会的な救済につきカウンセラーの充実などこれらの者の社会復帰に資する体制の整備などの施策を講じるよう努めること。

五 政府は、この法律の適正な運用を確保するとともに国会がこの法律により行う五年ごとの見直しに資するため、この法律による一年ごとの報告及び種々の情報提供につき、法務委員会における報告等の審議を含め、積極的な対応すること。

六 政府は、いわゆるテロ対策につして論議することに資するため幅広い調査・研究に努めること。−−−−−−−以上


滝本資料18  無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律案に対する修正(1999.11.18衆議院通過)

無差別大量殺人を行った団体の規制に対する法律案の一部を次のように修正する。

目次中「第二十七条」を「第二十八条」に、「第二十八.二十九条」を「第二十九.第三十条」に、「第三十−三十六条」を「第三十一−三十七条」に、「第三十七条ー第四十二条」を「第三十八−四十三条」に改める。

第一条中「構成員が」の下に「、例えばサリンを使用するなどして、」を、「もって」の下に「国民の生活の平穏を含む」を加える。

第四条第一項中「遂げないもの」の下に「(この法律の施行の日から十年以前にその行為が終わったものを除く)」を加える。

第六条に次の一項を加える。
2 前条第一項又は第四項の処分を受けた団体は、公安審査委員会に対し、前項の処分による当該処分の取消しを促すことができる。

第十条に次の一項を加える。
2 第八条の規定による処分を受けた団体は、公安審査委員会に対し、前項の規定による当該処分の取消しを促すことができる

(中略ー条文数の変更)

第十二条の次に次の一条を加える。
(観察処分に係る団体の所有又は管理する土地・建物に関する書面の提出)
第十三条 公安調査庁長官は、公安審査委員会規則で定めるところにより、第五条第一項又は第四項の処分を請求するとき又はその後において、当該処分に係る団体が所有し又は管理すると認める土地又は建物について、これを特定するに足りる事項を記載した書面を公安審査委員会に提出しなければならない。

(中略ー附則条文数の変更)

(見直し)
2 この法律の施行の日から起算して五年ごとに、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて廃止を含めて見直しを行うものとする。


滝本資料17 修正項目(民主党) 1999.11.12

1 目的(第1条)の「公共の安全」の後に、「国民の生活の平穏」を加える。

2 第4条の「破防法第4条第1項第2号へに掲げる暴力主義的破壊活動」は削除し、単に「暴力主義的破壊活動」とする。

3 第6条及び第10条の取り消し処分について、当事者からの申立権を認める。

4 第7条第2項及び第13条第2項「特に必要があると認められるときは」の後に、「場所、対象を特定したうえ裁判所の許可を得て」を入れる。

5 第8条の再発防止処分は、「裁判所の許可を必要とする。」を追加。

6 付則に、「この法律は、施行の日から5年の時限立法とする」を加える。

7 第4条第2項として、「前項に規定する「無差別大量殺人行為」とは、この法律施行の日から起算して10年以前のものを除く。」の1項目を加える。

8 解散指定を入れる。

9 「公安審査委員会」を、「国家公安委員会」とする。


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