資料  21から23


資料23  映画「A」に対する家族会の抗議書 外

抗 議 書

1998年5月22日

オ ウ ム 真 理 教 出 家 者 家 族の会
(旧オウム真理教被害者の会)
代 表 永 岡 弘 行

映画「A」
監 督 森 達 也 殿
制 作 安 岡 卓 治 殿

貴殿らが作成し、本年5月2日から一般公開している映画「A」の上映につき、次のとおり抗議し、その問題点を解決したうえでのみ上映するよう要請致します。

1右映画では、1996年3月から1997年4月までの信者の肉声と、信者とくに広報副部長(以下「A君」という)からみた警察、マスメディア、そして社会を描こうとしたものだと聞き、またオウム真理教の分からないことは分からないとしてそのままに提示したということでもあります。

その中では、一連のオウム真理教事件の悲惨さとこの集団のおぞましさは描かれていないことはもちろん、多くの同教団の信者の顔が出されており、同教団が撮影した児童が保護される映像が利用され、教祖の子どもらまで顔が出され、かつA君の祖母も映写されています。

2いうまでもなく、オウム真理教においては、私どもの子どもらを含む者らが、数々の極悪非道の行為をし、多くの方を死なせ、苦しめてきたものであります。私どもは、1989年から、信者である本人も被害者から必ず加害者になるとしてさまざまな活動をしてきたのですが、力不足によりかかる事態となり、痛恨の極みであります。

しかるに、右映画においては、坂本弁護士一家殺人事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件を初め多くの事件の重大性を鑑みていません。この悲惨な被害を見るにつけ、かかる映画が上映されているということは、被害者の心の痛みと傷に塩をすりこむものという外ありません。

3オウム真理教の事件の背景には、すでに刑事裁判において多くの元信者が証言し、学者証人や鑑定人が述べているように、この破壊的カルト集団において、マインド・コントロールされた状態が認めれ、しかも薬物LSDなどまで使われる実態がありました。

しかるに、右映画では、マインド・コントロール問題の重要性は考慮していません。右上映により、顔を出された信者特に中心に据えられたA君については、将来どう教団から離れること、その後社会復帰をしていくことを著しく困難にしました。上映に当たっては、A君らの了解のみで済むものではなく、各関係任の承諾を得ようともしなかったというのは、これをまったく理解していないものとして問題があると言わざるを得ません。

4教祖の子どもらの映像が出ています。私どもは、たとえ教祖の子であっても、教祖への怒り憎しみと別に考えようとしているものでありますところ、その将来を考えるに、この映画の存在は忍びないものがあり、明らかに配慮に欠けています。児童が教団内から嫌がっているままに警察官らに連れて行かれる映像、時期からして右教団が撮影したことの明白な映像が出ています。

しかし、これは児童福祉法の措置としての一時保護として適法なものであり、児童をその養育環境において虐待してきたのはオウム真理教であります。教団内では、親子の情を切れとの教義に基づき、児童を出家させた両親らとも別れて生活してきたのであり、自由な行動もできず、小・中学校にも通わされず、中には偽名をつけられた児童もあり、栄養は偏り睡眠も少ないことが奨励され、「ハルマゲドン」「毒ガス攻撃を受けている」などと恐怖感を煽られ、外の社会の情報からも閉ざされ、教団の思想のみが植えつけられてきたものであります。それ故にこそ、児童相談所等で児童が心身の健康を回復してくる様子が広く人々を感動させ、最高裁判所においても教団側からの児童をめぐる諸々の上告を却下したのです。

従って、右映像を、背景事実も出さずに組み込むというのは一時保護までせざるをえなかった本質を無視し、教団の主張をそのままに是認して助長するものというほかありません。

5また、映画の中で、警察の違法逮捕があったとしている信者は、一方で自らした逮捕・監禁の罪について被害の填補もせずそれを明示していないものであり、同教団が、権利ばかり主張してみずからの責任と義務を果たそうとしないという態度を助長するものであります。

6更に、A君の祖母の映像は、同教団が前記のごとき行為をしてきた集団である以上、その関係者と思われるのは通例望まないものですから明示の許可が必要であるところ、これもないとのことであって問題があります。

7これらの問題点は、要請より本年2月2日に試写をみた当会の代表者および同道した弁護士から口頭にておおよそを指摘し、またこれら問題と、上映すればオウム真理教の宣伝になることは明らかであることを指摘しました。

さらに、同弁護士からは、脱会者らの手記などが掲載された「カナリヤの詩」などを送付しており、これに対し貴安岡氏からは、本年2月4日付にて「『テレビは一瞬、映画は一生』という言葉通り、ドキュメンタリストには、作品にした題材を一生背負い込む責任があることを自任(ママ)しているつもりです。……そう遠くない頃に、諸々お話を伺う機会が得られれば幸いに存じます」との返答もあったものでした。

しかるに、貴殿らは、右上映に踏み切ったものであります。いかにご説明の通り実費だけでも約一千万円を要した事情があるとはいえ、右の指摘した問題点を解決し、「諸々お話を伺う機会」も設けないままに、右上映に踏み切ったものであります。そして、右指摘したとおり、同教団では右上映を多くの方に知らせ、信者を理解してもらいできれば入信を進めるための道具として、利用しているのであります。

8以上の通り、貴殿らにおいては、オウム真理教の一連の事件の被害者の痛みに対し、同教団信者と社会を描こうとする方として、また撮影される人々の立場と権利を守らねばならない立場として、著しく誠実さにかけるものであるという外ありません。「一生背負い込む責任」など、言うことはできても実際上でき得るものではなく、だからこそ映画の製作及び上映において十分な配慮が必要だと思います。

ここに抗議し、指摘した諸点を解決した上でのみ上映されるよう強く要請します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

掲示板への窓口の投稿の転載

テレビ朝日ースクープ見た見た
投稿者:滝本太郎 2000年2月20日(日)13時47分

興味ふかかったですね。
>しかし、滝本さんが被害者の方を「守護神」と呼んでいるのを批判
>しているテレビをみて、コメントしている上祐さんが映るとは。
>「これだけ誤報が流れているとどうにもならん。」と怒ってたみた
>いですね。(「守護神」と呼ぶことへの解釈についてか。)
あそこ興味深かったですね。テレビ朝日があえて残したのでは
ないかと、想像する。まあ「守護者」なんですけれど。

面白かったのは、
1上祐さんが「誤報」云々をいったのは、守護者云々ではなく、
その直後の私のヴァジラヤーナの教義からする解説の場面で
ということ。
2それに続いていた?−画面が別だが続いたのかー森さんの
インタビューで、上祐さんに対して「俗世の言葉でいわざるを得ないから
誤解を招くのでは」との質問に対して、
3>「ことばで表現できないのが最終的に残るものなんですよね。」
と上祐さんが答えているということ。

すなわち「守護者」自体の表現をしようとしていたことは
認めているのでは?と思えた所です。

>森さんが、直接的な指示が麻原さんからあったかどうかわからない、
>というスタンスであるのは、知りませんでした。
あれ本当にそう思っているなら、島田裕巳さんの二の舞ですね。

上祐さんにじっくり追究したこともないというのは、ジャーナリストとしては失格ですね。かつまた、ヴァジラヤーナしたことのある信者さんならば、麻原さんの指示なくして殺人が出来ないことは知っていること。さらに、直接の指示を村井刺殺事件により直接の指示を言う人がない地下鉄サリン事件以外は証言がある事を忘れ、地下鉄サリンでも、事後の報告など間接事実が十分であることを忘れた、まあ阿呆らしすぎる言辞でしたね。

司会者は焦っていましたね、あれは生放送だし。

>一般の信者さんの素顔が放送されてしまうということは、まずいと
>は思いますが、すべてではなかったから、了解はとったのでしょう。
>それにしても、本人はそのときよいと思っても、将来困ったり、ご
>家族が困ると思いますが。
ですね。まったくーー。

撮影の時は承諾を一応はとりましょうがオウム真理教の中で交流して撮影している時、その状況の拘束力からして、一般信者が拒否することはし難いものです。まして、テレビ放送の承諾などいちいちとっているとは思えませんね。

私、日本テレビ関係は、観察処分を受けて、信者にモザイクを入れないという方針を立てておろさないとき、一切の取材を拒否しているのですが、弱ったなー、テレビ朝日。


資料22  日本脱カルト研究会 (JDCC)上申書2000.2.1

同会の、ここに出ています。http://www.cnet-sc.ne.jp/jdcc/


資料21  オウム集団幹部らの2000年1月16日頃の
会議内容ー上祐提案の改革案

出席者上祐史浩、村岡達子、野田成人、杉浦実、岡田弘幸

1 「宗教団体アレフ」にする。
・組織の性格は、教団を拡大して尊師の死刑を止める。
・そして再開を可能にする。
・表向き、教祖や子どもなど麻原家を、外す。

2 新たな布教活動として
@ 「21世紀サイバー教団」として、インターネットで布教活動をする。
A 「アクエリアス教団」として、科学と宗教が合致した超人を育成する。
B 「ホワイトフリーメーソン」として、オウム色を出さずに救済活動をする。企業活動の基盤をつくる。
C グローバル教団になるべく、イギリス・ロシアで、インターネットを活用して、布教、経済活動をする。

3声明では、麻原尊師の指示、関与を認める。
・謝罪し、被害補償活動を行う。
・被害者を「守護者」と呼ぶ。
・発表することで、マスコミを味方につける。

4 観察処分について。
・立入り検査を逆利用して、危険性なしのアッピールをする。
・職権濫用の告訴、国家賠償請求の前提として、証拠の保全に努める。
・大日本帝国に似ているとして、国民を味方につける。

5 立入り検査に対する「対策マニュアル」
・法務部名で出す。
・訴訟、懲戒免職を求めるために、氏名・役職を確認し、写真を撮る。
・問題がないものはある程度見せるが、焦らしながら見せること。
・金庫や机は、鍵をかける。自分の机じゃないという。パソコンは、立ち上げを求められても、自分のパソコンじゃないのでバスワードを知らないと。
・人の調査に対しては、立入り検査は設備や帳簿の調査が対象でしょう、という
・個人的に使用している者、団体に無関係などと対応する。


滝本弁護士コメントに戻る