ゆきさん傍聴記12月25日井上公判より。


25日(金)の井上嘉浩さんの裁判より

24日(木)に中川智正さんの裁判(林泰男さんが証人)、25日
(金)に井上嘉浩さんの裁判(早川紀代秀さんが証人)をみてきま
した。中川さんの裁判のほうは事実関係の細かい確認だったのです
が、井上さんの裁判のほうは早川さんの見てきた、オウムの変遷や、
信仰、井上さんが高校生だったころからの話が聞けてとても興味深
かったです。まず、井上さんの裁判で印象に残った証言をご紹介し
たいと思います。
なお、完全には書き取れなかったので、多少ことばが違うところが
あると思いますので、お許しください。
ところどころ言葉が抜けてますし、特にあやふやなところや補った
ところは()で囲みました。

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 証人の早川紀代秀さん、井上嘉浩さんと笑みをかわしている。

弁護士さん「前回の補充。オウムの修行の問題点。」
早川さん 「わたしのあたっているか、あたってないか(わからな
     いけれど)、修行に細かいところから本質的なところま
     で、問題点ランキングあって、整理するの難しい。
      わたしなりに考えて、ここで(お話したいと思います。)
      1つは、事件に結びついた結びつかない本質的なこと
     と違う。
      各個人がもっている多様性、1人1人個性もあれば生
     活してきた環境が違う。意識全体、決して、一律にとら
     えられるものではない。どうもオウムのわたしたちの
     やってきた修行、とくに後半どんどん修行が変わってき
     て、麻原被告が押し出してきたの、個々の対応おしつぶ
     すような画一的なやり方に傾倒しすぎたんじゃないか。
     例えば、パーフェクト・サベィション(PSI)、グル
     の脳波を同調させて。はたして、麻原被告が解脱してい
     たと仮定して、その脳波に他のものを同調させていいの
     か。麻原被告にとっては解脱した脳波。それをすべての
     人をそれに合わせるというようなもの、それでほんとう
     によかったのか。効果はあったようだ。効果はあったと
     しても、多様性を無視したようなもの、本来の仏性を目
     覚めさせる方向にあったのかなあ。
      後半、教典等を翻訳するようになってから、記憶修習
     を重視されるようになった。受験勉強。暗記する。教典
     にあるデータとなえる。長文であってもおぼえる入れ込
     む。そのバックボーン、今の時代、真理のデータをもっ
     て生まれてきてるもの少ない(いない?)。だから、入
     れる。確かに真理のデータ入れるの大切なんだけれど、
     入れたあとのもう一歩がなかった。
      自分で消化していくプロセス、画一的にはできない。
     内省、内観。そういうプロセスがなんでなかったのかな。
     初期の頃はそういうプロセスがあったのですが。後半、
     あせってなくなって、薬使って、わけのわからない修行。
     (井上さん苦笑している。)
      人間の心理(は)単純なものでなく、食欲にしても、
     性欲にしても、抑え込むのではなく、消化してくことが
     必要。ヒンズー教でも、仏教でも(そういう)やり方が
     (ある)。オウムでは、やればやるほど反発的に、意識
     肥大化する。抑え込もう抑え込もうとするほど無意識に
     肥大化する。ほんとうにそういう方法でよいのか。」
弁護士さん「修行がある程度効果あった?」
早川さん 「人それぞれによって、効果あった。ある線までは、画
     一的でも効果あると思う。あるレベルからは、個人の本
     来もっている心理的な要因を潰して行く方法(を)確立
     しなければ、だめだったんじゃないかな。
      オウム真理教になって最初のころは、修行に伝統的な
     方法をとっているように思われた。後半の修行、グルの
     コピー化するんだといわれはじめてから、画一的な個性
     を無視したあるひとつの型に。
      そういう、良心的なものでてきても、抑えてしまう。
     良心に従うのはオウムの教えではだめだ。」
弁護士さん「成就者を大量生産」
早川さん 「まず、1つは、強迫観念とは言わないまでも、ハルマ
     ゲドンにあわせるため、ひじょうに強制的な方法。大量
     生産。その極端な例が薬物修行とかになってくると思い
     ます。」
弁護士さん「ノストラダムス信用しなくなったって(おっしゃてま
      したが)?」
早川さん 「どうもおかしいなと思う。(予言の解釈の)2回目か
     ら中断後、ノストラダムスの解釈、オウムに関したもの
     ばかり。松という単語、松が支配するんだという解釈が
     でてくる。麻原被告、松本の松なんだ、松一族が支配。
     これはちょっと、ほんとかいな。普通一般には松という
     単語には解釈してない。いろんな意味があるなかから、
     自分にあうものを無理やりこじつけて。
      弟子たちに理解させるために、こういう予言を利用し
     ているのでは。」
弁護士さん「(松一族を実際に増やすという意味はあったのです
     か。)」
早川さん 「いろんな方の子供がふえてる。自分の一族を増やす。
     年下のひとは、これはと思う幹部は松の名前を名乗らせ
     て、お前はわたしより年上だから養女と結婚させる、家
     内と別れられるかときかれたから、いやそれはできませ
     ん(と答えました)。」
弁護士さん「村井さん第7サティアンつきっきり、そのころ科学技
     術省、林泰男さんとか変則的だって。」
早川さん 「渡部さんも含めて、豊田さん、廣瀬さん、すべて第7
     に入ってた。第7に入ってた幹部を除いてトップだった
     のは、林泰男さん。通常の科学技術省の業務。ヴァジラ
     ヤーナ的でない。長官代行。」
弁護士さん「前回の証言きいても、どうしてもわからない。なぜ、
     早川さんのように、社会的な経験もある方が、こういう
     犯罪行為をグルの意思ということでやらざるをえなかっ
     たのか。」
早川さん 「正直に話させていただくと、いろんな理由。
     1つは、オウムにおいて、わたしなんか経験あり、技術
     (をもっていた。)(出家したとき)38歳(でしたか
     らね。)
      大きな課題。自分が培った経験、常識をまず崩す修行
     をしてきて、人生経験がない場合、たやすい。とにかく
     崩さなければ解脱できない。麻原の教えに価値基準を絞
     っていった。
      なぜ価値基準を絞っていったか。すべての財産を布施
     して出家したからには、帰るところもない。すべてをグ
     ルにささげる。そうでなければ出家できない。そういう
     修行をするもの。
      麻原被告が真理を体現している。解脱をしている。そ
     ういうほうに導く力がある。麻原さんの活動、利他心が
     あると信じた。
      理論的な教えだけでない。それで言われたことを実践
     する、神秘体験、自分の性格が変わった。
      非常にレベルが高い、仏陀釈迦無尼と同じレベルの人。
     反対できない。反対する自分が許せない。
      そういう信じていたグルがポアといって。悪業をなす
     人はポア。ポアによってしか今の人救済できない。平成
     元年、(昭和)63年頃からそういう理論があって。
     ポアを是とする理論があって、命令されたとしても、完
     全に合一してるわけではないから、ポアをする対象にか
     わいそうだという。
      そこからみつめて、考えてというのではなく、そうい
     うものは、否定しなければならない心の弱さである。マ
     ハームドラー。自分がまだ修行が足りない。自分が心が
     弱い。ほんとうの慈愛があったら、進んでポアをするべ
     きなんだ。
      恐怖の神々として麻原への恐怖感があったのも事実だ
     が。」
弁護士さん「修行を続けるか続けないかは、修行に選択権?」
早川さん 「確かに、例えばやめた場合、追いかけ回されてポアさ
     れる危険性もある。あるいは絶対にやめるということで
     きないこともないけど、そういう気持ちを起こすこと自
     体、敗北である。会社と住居いっしょなのがオウム。会
     社もない、自分の住むところもない。どうやって生きて
     いくんだ。実際逃げようと思っても、自分のお金ない。
     逃亡資金ない。はい、それじゃやめようと自由に考えて
     やめられるものではない。やめるということ、ものすご
     くハードルが高い。」
弁護士さん「主体性という概念ないんですか?」
早川さん 「極端にいえば、主体性というものがあれば修行ができ
     ない。グルと合一。最初は帰依がなくても(成就できる)
     ラージャヨーガというのあったが。
      イエスマンでないと自分が許せない。主体性があるこ
     と自体、修行ができてない。村井のことイエスマン。そ
     こまでイエスマンになれるのはすばらしいな。
      会議で意見を言って、何が一番うれしいか。グルと同
     じこと言ったときに。ごますりというのではなく、自然
     にグルの意思にあわせてしまおう。真面目なひとほど、
     そういうふうになる。」
早川さん 「自分のほんとうの修行できない。
      当時、自分の情であるか愛であるか解脱してみない
     とわからない。これは情だから切らなければならないと
     思ってしまう。実際思ったこと、今になっても自信があ
     りません。」
弁護士さん「田口さんの事件で(麻原さんに)となえろといわれた
     ものありますか。」
早川さん 「まずここに真理に対して妨害するものがあるとする。
     その障害を取り除かなければ真理はすたれてしまう。そ
     の障害を取り除こうとすると悪業になる。例え、障害を
     取り除いて、悪業になって地獄に落ちても、救済になる
     なら、本望であろう。」
弁護士さん「オウムがどのような救済の方向に向かっていったか?」
早川さん 「わたしなりに、救済活動何するか。
      麻原の意思。わたしがいうのはなぜ麻原被告がこうい
     うことをしだしたのかな、言って欲しい。
      わたしなりの考えはある。」
      まず、わたしはやっぱり麻原被告のなんでしょうか、
     大きな方向(へと変わる)、救済活動の転機になったの
     は真島さんの件ではないか。
      個人的に(麻原被告に)きいた。「いよいよ、ヴァジラ
     ヤーナを実践しろというシヴァ神の示唆だ。」それまでは
     一切非合法活動をしていません。
      その事件後、田口さんの事件、坂本さんの事件。
      そういうつぶやきがでる。それ以前にヴァジラヤーナ
     でしか救済できないという意識があったのではないか。
     例え自分に対して悪くても、人に対してよければやるん
     だ。そうはいっても難しい。ところが真島さんの事件が
     起こった。それを麻原被告はシヴァ神の示唆だと受けとっ
     て、それ以降説法。おどろおどろしいのがでてくる。ポ
     アだ。弟子たちに免疫をつけさせる。
      一部の弟子達、それはまだ、マハーヤーナ的な救済を
     成功させろ。選挙に失敗してから、麻原被告の頭からマ
     ハーヤーナ的な救済とんでしまった。亀戸の炭疸菌、地
     下鉄の・・・。
      麻原被告の思想的な流れ、地下鉄サリン事件だけみて
     もわからない。単なる捜査妨害とは思わない。
      わたしたち説法を知っていたものの責任でもある。地
     下鉄サリン事件を実行した人たちだけの責任ではない。」
早川さん 「(真島さんの事件)真島さん、幻覚をなくす(ために)
     立地礼拝修行に参加。意識おかしい。岡崎さん、●●さ
     ん、新実さん、頭に無理やり水をかける、頭を冷やすと
     いう修行。(水をかけるのを他のものに指示して)新実
     さん、●●さん、自分たち食事する。(早川さんが)交
     代、風呂場にいくと、○○が真島さんに水かけてた。
     (真島さんの様子がおかしい。)なにやってんだ、やめ
     ろと言ったが、大師からいわれたことなので、大師の指
     示でなければやめられませんという、誰にいわれたとい
     うと、●●さんだというので、呼んで来てやめさせたん
     ですけど、脈がない。(このことを)知ってるものを集
     めて、このまま発表すると救済遅れる(と麻原被告が言
     った)。内々に処理するとしか言えない。それを知って
     たのは数名。遺体損壊。
      この事件が1つの大きな方向性に影響あったと思いま
     す。」
(ここで、裁判長さんが○○さんのフルネームと漢字、●●さんの
 ホーリーネームを確認。)
早川さん 「最初に犯罪行為を知ったし関与した。そのことが原因
     で、田口さんをポアしなければならなくなる。その後、
     彼は下向しようとした。真島さんの事件、田口さんの事
     件。そういうことがあって、麻原被告の気持ちの中で、
     現世で荒っぽいの難しいと思ってたのに、やはりやるべ
     きなんだ。ヨハネの黙示録をひもとくと、鉄の爪で開く、
     やっぱりそうなんだ。自信を深めて。
      人間の????修行で消せるわけでなく、悩みながら
     修行。確かに情のひっかかり。井上君なんかみても、そ
     ういう部分、そうとう悩んでいたのわかる。悩んでいて
     悩む自分が許せなく、悩むこと自体、修行ができてない。
     麻原被告を否定するところにはいかない。染まりきれな
     い。そういう部分で帰依は消えてない。」
裁判長さん「井上さんは真島さんの事件を知ってたか?」
早川さん 「全然知らなかった。」
弁護士さん「最初にあなたが大阪支部でいっしょだったとき、井上
     君がまだ高校生。例えば、井上君のことでおぼえている
     エピソード。」
早川さん 「出家してこれまでたくさんあります。
      (井上さん、にこにこしている。)
      大阪支部時代、たくさんある。彼もわたしも熱心に修
     行。土日はもちろん平日でも学校終わったら修行に来る。
     おなかすいたので、お好み焼きを一緒に食べた。
     (井上さんが)「おいしいもんですね。」
     「え?お好み焼き食べたことないの?」
      関西でお好み焼きを食べたことない。世間ずれしてな
     い。すなお。
      喫茶店に入ったところ、初めて。わたしがわるいこと
     ばかり教えた。(井上さんが)「こんなとこ、何なんで
     しょう。何を頼んだらいいかわからない。」(当時彼は)
     6時間くらいヨーガの修行をやっておられた。喫茶店で
     飲むもの。ヨーガによくないものばかり。彼はいったい
     何を頼んだらいいか。ヨーガにいいものヨーグルトを頼
     んだ。(きてみたら)ゼリーがのってた。折角だから食
     べた。器用に体に悪いゼリーの部分だけは吐き出した。
     ヨーガの修行をしてるとそういうことできるんだな。
      とにかく、高校2年生、受験も控えてるし、彼は進学
     校でいいとこ行ってるのに、家では6時間のツァンダリ
     ー。本人の印象からして、学校の先生、御家族(より)、
     麻原被告に対する思いい入れ。あるいは、その弟子であ
     る大内さんに対する思い入れ。高校生の感受性の強いと
     きに、あの2人の影響はものすごく大きかったのではな
     いか。」
弁護士さん「当時、大内さんが井上さんをしごいていた?」
早川さん 「大内さんだけでなく。麻原被告、わたしに対して言わ
     ないことを言っていた。
      高校生だし、グル、高弟から言われたこをストレート
     に受けて、煩悩がある、ということいわれて、誰にでも
     煩悩はあるのに、「わたしには、煩悩がある。」。高校
     生である。免疫がない。落ち込んだ。はたからみて、か
     わいそうなくらい。」
弁護士さん「ビラ配り。」
早川さん 「一緒にビラ配り。井上君も一生懸命ビラ配りとかやっ
     てた。わたしからみれば高校生だから(いろいろ教えた)。」
弁護士さん「出家した後も井上君を早川さんがいろんなところへつ
     れてってくれた。」
早川さん 「食事をしたり、本屋にいあったり。」
弁護士さん「井上君と集中修行」
早川さん 「クンダリーニヨーガを成就して大師になる。」
弁護士さん「昭和63年10月」
早川さん 「88年9月〜10月にかけて。11月。9、10、
     11、12の間。」
弁護士さん「その間はどういう修行。」
早川さん 「立地礼拝600時間。されたものはチベット五体投地、
     オウム式の。それを600時間。毎日18時間やったと
     しても、1〜2ヵ月。わたしは、3日間やっただけでも
     ふしぶし痛む。
      麻原被告に対する帰依の心を叩き込む。スパイのもの、
     信のないものついてこられない。ここでふるいがかかる
     ということを麻原被告は言っていた。
      常に50人くらいこういう修行。その中から、ダルド
     リー、光の体験。もうすぐ成就できるというひとピック
     アップされて真っ暗な部屋で24時間、寝ることもなく
     座ったままでツァンダリーの瞑想、1〜2ヵ月くらい。
     最終的にこういう経験するという体験したときに麻原被
     告が成就した(と言う)。
     9、10、11、12、1、2。」
早川さん 「井上くんは何の苦もなく、アーサナ。できないアーサ
     ナがなかった。〜ヨーガでも、ひもを鼻からいれて口か
     ら出す行法。瞑想をしてもひじょうに天才的。瞑想修行
     わたしより後から入ってきて、先に成就してしまった。
      当時なれない人は、ツァンダリーを1回まわすのに2
     時間、慣れてくると1時間くらい。(井上君)20分く
     らい。」
弁護士さん「井上君、福岡支部長。」
早川さん 「ひじょうに信徒さんに信頼されてる、優秀な大師。
      東京の深夜セミナー担当したことがある。彼が深夜セ
     ミナーのインストラクター。ものすごく丁寧。インスト
     ラクターの時代からまれにみる指導能力があった支部大
     師。」
弁護士さん「(井上君が)東京本部長。」
早川さん 「(そのころわたしは)建設班。(井上君は)まじめで。」
弁護士さん「井上君愚痴ったこと?」
早川さん 「もともと東京本部長になられるときに、井上君の前任者
     飯田エリコ(正悟師)。彼女の後。前任者からいびられる
     こと。正悟師、正大師。ステージ差歴然。(正悟師、正大
     師から)無理なこと言われる。」
弁護士さん「当時、井上君は師。」
早川さん 「正悟師とか、上のものに、いろいろ言われてる。前任者
     とかまわりのひとに口出される。当時麻原被告から厳しく
     指導されていた。営業マンと同じようなノルマ。それがめ
     ちゃくちゃなノルマ。それを井上くんは一生懸命やって、
     トップの成績を持っていた。」
弁護士さん「教団で正悟師と師をわけられた後の差?」
早川さん 「ものすごく大きかったです。いや実際問題。
      ブータン。(会談のセッティングをしたのはわたし。)
     5名しかだめだ。霊的ステージの高いほうから選んでい
     った。わたしなら(大丈夫だろうと麻原被告が言って)、
     5名の正悟師+わたしを6名ということで向こうに要求
     した。ブータン(がこれをのんで)、6名、国王と会見
     することになった。もれた正悟師がいた。会談に出席し
     た名前、わたしの名前ありません。マハーヤーナに書い
     てない。わたしの名前かくと、でてない2人の正悟師に
     説明できない。
      第一上九にただ一つの水洗トイレ、それ使えるの正悟
     師以上。(それ以外は)野外のおっちゃん(ぼっちゃん
     ?)トイレとわれわれ呼んでいましたが、汲み取り。
      外国に行く場合、飛行機の席をとる。正悟師以上がビ
     ジネスクラス、師以下はエコノミー。当時の正悟師は特
     別扱い。10名前後。昔は大師が10名前後。特別扱い。
     人数ふえてくと、特別扱い消えていく。」
弁護士さん「正悟師と師の差、会議も。」
早川さん 「正悟師会議というのに、正大師もでてた。そこで最高
     決定機関的な役割。
      コーザルライン(という)麻原に直訴(できるものが
     あった)。それを読めるのも、正悟師以上。
      師の会議ない。師のつどい。会議できるような人数で
     ない。100名くらい。後半200名くらい。
      平成3年くらいから省庁制ができるまで。
      正悟師、正大師にわかれた直後、きちんとした大説法
     回で説法できるの正悟師以上。支部の日常活動における
     サマナに対する説法はやておられたんじゃないか。
      クルタの色違う。一目瞭然。
      車も上から1番いい車を。」
弁護士さん「早川さんはのちに正悟師」
早川さん 「平成6年の省庁制ができたころ。
      長い間、師、師、と呼ばれてきた。癖になっていた。
     かなり長い間、しと呼ばれてきた。あまりひどいので、
     正悟師と呼んでくださいと言ったことがある。ティロー
     パ師。平成7年の11月の供述調書に、いまだにティロ
     ーパ師。半年たっても意識転換できない。」
弁護士さん「正悟師、今日なったから明日命令できるようになるわ
     けではない?」
早川さん 「制度的にはそうではないが、みんなの中に認識が残っ
     ているから、その人に素直に従えるというわけではない。
     実質的には難しい。
      定着するには時間がかかる。
      愛師長から菩師長、元の愛師長から菩師長の人に対し
     て意識的な切り替え難しい。正悟師になったほうも遠慮
     がある。」
弁護士さん「愛師、もしくは、菩師長、区別というか差別は?」
早川さん 「ありますね。ステージ的には、愛師長とか菩師長とか
     変わらない。自分よりも後輩である菩師に対して指示命
     令はできない。
      一直線になった上下関係はない。愛師長になったから
     といって、菩師長は菩師に対しても愛師に対しても指示
     できるが、愛師(長?)は菩師に対して指示できない。」
弁護士さん「新実さんと井上君が一緒に行動して、井上君が新実さ
     んを前にして他のものに指示することできるか。」
早川さん 「まったくできない。許されない。」
弁護士さん「正悟師がどく別な証、供養値魂。」
早川さん 「釈迦無尼の時代にアラハンと呼ばれた。解脱者とイコ
     ール。アラハンに達すれば、供養してもらってもよい魂。
     個としては最高のレベル。大乗の修行。そこでほんとう
     にでてくる。完成された魂。正悟師であるかどうかで随
     分違う。」
弁護士さん「正悟師以上が言うこと正しいことだ。」
早川さん 「そうですね。正悟師がいうこと正しい。師と正悟師が
     違ったことをいえば、正悟師のいうことが正しいという
     ことになる。魂のレベルが違う。
      (井上君が正悟師になったのが)3月17日くらい。
     地下鉄の事件があった20日、その時点で井上君が正悟
     師となったのしってた人いたのかどうか。そのメンバー
     はほとんど菩師長。制度的には17日、指示できる立場
     にいたが、菩師長である林さんとか廣瀬さんとか(に)
     指示できない。村井さんは正大師。」
弁護士さん「村井さんはあなたからみても能力高い?」
早川さん 「尊敬してた人もいるでしょう。渡部さんは村井さんに
     対するイエスマン。
      村井さんに反感。なんでもイエス。できないことも。
     それに降りまわされて。
      イエスマンすばらしい。でも、できないことはできな
     いといわないと意味ないじゃないか。
      平成6年4月にサリンプラント開始。まずこんなので
     きるか。いつもの村井さんの、はい、3週間後にできま
     す。配管くらいしかできてないのに。」
弁護士さん「プランを立てる能力?」
早川さん 「彼は科学者だと思う。技術者ではない。科学者として
     優秀。麻原被告は、彼は数学的な頭脳として使ってた。
     (後には豊田さんをそういうことに使っていた。)
     実際に期限までにものを作るという能力ばなかったんじ
     ゃないか。なかったために世間的にも幸いしたんじゃな
     いか。」
弁護士さん「落田さんの事件の後、平成6年の春頃、井上くんから
     告白をうけたことを(おぼえてますか)?」
早川さん 「井上くんが初めてポアに関与したときいた。2人で建
     物の外歩いてると、いや、実は、信徒さんをポア、いや
     です、恐ろしいです、その場で、もうやめて逃げようか
     と思ってます、もう、ほんとこんなことしてていいのか
     と思ってます、といわれた。
      ヒナヤーナ、マハーヤーナ(よりステージ高い?)と
     いう考え方もありましたので、そうか、とわたしはきい
     た。落ち込んでやめたいというようなこと言われて、ま
     ずいな、わたしもそういうことしたことあるんだとなぐ
     さめた。乗り切るようにアドバイスしたことがあります。」
弁護士さん「オーストラリアに井上さんと早川さんいっしょに平成
     5年4月ごろ」
早川さん 「オーストラリアに井上君と一緒に言って、ビジネス的
     な目的で。(わたしはそういうときは)ビジネスに徹す
     る。宗教的なことあまり出さない。ロシアでも。
      (オーストラリアで、)地質学者さんが信徒さんのよ
     うになってしまった。井上君に対して。支部活動のよう
     なこと。なぜそのような状態。その知り合いの地質学者
     の女性にお子様がいて、(井上君が、)霊視された。肺
     が悪いというのを見抜かれた。それをおかあさんにあた
     る地質学者に言われて。それで、母親、何でわかったの
     か。機会あるごとに(こうすればよくなりますよという
     のをアドバイスして、母子で実行していた)。病気で苦
     しんでいるひとほっとけない。麻原被告の指示でないん
     だけれどもひじょうにやさしいところあるなあと感心さ
     せられた。」
弁護士さん「第2サティアンの3階、麻原被告、自衛隊簡単にやっ
     つけられるんだ。問題は米軍なんだ。」
早川さん 「そんなことできるんですか。麻原被告に村井さん、め
     ちゃくちゃな話。国会議事堂占拠、東京を制圧できるん
     だ。
      (わたしは、)えーっ、自衛隊って結構強いですよ、
     難しいです。一時的には勝つでしょう。その後どうなる
     かわからない、いやわかりませんね、と言った。
      井上君(は)、あんなこと言って大丈夫ですか、絶対
     勝てませんよ、ティローバ師、そんなことできませんよ。
      (オウムでは、)思念が現象化する(という言い方を
     する)。否定的なことをいうと、言ったことが現象化す
     ると言われてる。グルができるだろうといったことでき
     ないというな。(できなかったとき、)お前が言ったか
     らできなかったんだと言われる。だから、村井は絶対に
     できないとはいわない。グルのいないところでは愚痴。
      井上君がきたとき、あんなこと言ってるけど、クーデ
     ターできるんですか。
      それについての、わたし(早川さん)なりの考え。
      それはそうや。疑問にもつのが当然。
      まず、国自身がみだれてないと。
      もう1つが民衆の支持がないと一時的に成功しても。
      軍事的な力が国をうわまわってないと。
      3つないとだめ。オウム3つともだめ。クーデターな
     んて夢物語だという話をした。
      仮定の話。そんな無茶はしないだろうと思ってました。
     そういうような話をして、弟子にショックを与えている。
     自衛隊の力、冷静に(みる)力をもっている人なら、そ
     ういうことはしない。」
弁護士さん「やったらオウムは潰れるだけ?」
早川さん 「そうですね。
      グルの決定ですからしかたない。
      なるべくそういう決定されないよう祈るしかない。
      弟子の中でそういう方向にもっていきそうなひとがい
      ると。」
(ここで裁判長さんの用語の確認。
 コーザルライン、アラハン、霊視、思念の現象化。)
早川さん 「ヴァジラヤーナのサマナとマハーヤーナのサマナを分
     けていた。石垣島の目的を知っていたか知らないか。
      被告人(井上さん)は、マハーヤーナのサマナ。わた
     しは、ヴァジラヤーナのサマナ。
      ヴァジラヤーナのサマナにとっては、自分たちでない
     のがマハーヤーナのサマナ。マハーヤーナのサマナにつ
     いては(とっては)、誰がヴァジラヤーナのサマナ(な
     のかに)ついてわからない。
      (それだけでなく、)沖縄で井上君にあって(石垣島
     の目的を)知らないのを確認している。」


※ ここまで、午前の分です。さらに午後の分に続きます。

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※ ここから午後の分です。

弁護士さん「平成6年11月、強制捜査が入ると言われていたころ
     村井さん、あなた、豊田さん、青山さん。井上君がその
     あと、そこに入って行くと、麻原被告(が)、「本音を
     言え。」(と言った。)。
      「お前たちが、俺の立場だったら、どんなふうに救済
     するか言え。」」
早川さん 「本音を言えと言われて言えば、ろくなことない。正直
     に本音を言って、怒られた記憶がある。
      要するに、このまま今の状態で充分かどうか本音を言
     ってみろ。青山さん、村井さん、豊田さん(は)、科学
     技術省(が)今目指しているものを完成する(と言った)。
      井上君が、エネルギー源を開発しないと、今のままで
     は問題じゃないですか、(と)ちょっと異議を唱えるよ
     うな内容(を言った)。
      麻原被告、「ふーん、そうか。」無視される。
      わたし(早川さん)は、科学技術省が開発しているレ
     ーザーだとか、プラズマだとか、細菌だとか、ガスだと
     か武器だけでなく、ハルマゲドン生き残る(ため)、食
      料だとか、今のオウム、電気の供給システム終われば
     一巻のおしまい、わたしも考えたから、エネルギーの問
     題じゃないですか、フリーエネルギーを開発しなきゃ
     (未来のエネルギーを開発しなきゃ)だめじゃないです
     か、と言ったら、そこでえらく怒られた。何を夢のよう
     なことを言ってるんだ、そんな地についてないこと。
      科学的なことに進んでいるが、常識に縛られている。
     最後のほうになってニコラ・テスラ。
      村井さんの影響あったと思います。
      社会的なことは夢物語を言ってる。わたしは科学的な。
      自由に言っているんだから、怒られている。
      本音を言っても、グルの意思と違っているの失格。グ
     ルの意思がどこにあるのかをおもんぱかって発言する。
     グルの意思をおもんぱかったけれども、グルがそんなこ
     とを言うとは思わなかった。結果的にはずれてた。」
弁護士さん「井上君が麻原被告からどなられていた。」
早川さん 「若いからみんなを代表して叱られる、ということがあ
     った。」
弁護士さん「麻原被告手ずから竹刀をもって叩く。」
早川さん 「カルマ落とし。」
弁護士さん「麻原被告からポアすると。」
早川さん 「何の集まりかわからないが、結構たくさんいました。
     50人くらいいるなかから名前を呼んで、
      「アーナンダ、お前、なんとかかんとか、ポアするか
       らな。」
     えらい怖い言ってました。
      マハーヤーナしかみてない、遠い弟子はどう思うかわ
     からないが、わたしはポアされた弟子知っている。グル
     が、こいつはだめだと思ったら、ポアされる。それを実
     行する弟子がいることも知っている。冗談だと思ってた
     んではない。現実感として恐怖はありました。」
弁護士さん「井上君が麻原どう思ったか。」
早川さん 「やさしくてすばらしいグル、大乗の慈悲深いグル。そ
     れが、だんだん近くに来て、恐ろしい恐怖の神。そうい
     う意味では麻原被告に対する複雑な慕うだけでなくて恐
     怖。」
弁護士さん「井上君は麻原被告の前に出ると、なめくじのようにな
     ってしまうといっているひとがいたが。」
早川さん 「そのとおりです。失礼ですけれども。井上君の場合、
     古い高校時代から信じ込んでいますから、納得できない
     こともあったかもしれないけれど、それに対して抵抗で
     きない気持ち。
      井上君は、あとで慰めに来てくれる優しさがある。麻
     原被告の前ではできないけれど、後で心遣い何度かして
     くれた。他の人ではない。後で気を遣ってくれた人はい
     ない。」
弁護士さん「地下鉄サリン事件の話をしたこと。」
早川さん 「ありました。強制捜査後ロシアから帰ってきて。
      何度か強制捜査中の何回目か。信徒さんの打ち合わせ
     でホテルとったとき。
      「リムジンの中で話がでたんですよ。そんなことして
       ほんとうにいいんですか。」
      たいへんなことしてしまったんだと、感じられる状態
     でした。かわいそうでした。」
(早川さん、ことばに詰まっている。井上さん、目を閉じて、何か
 に耐えているよう。)
弁護士さん「早川さん逮捕されて、このように供述される態度にな
     ったようですが、そこに至るまで、早川さんも心理的な
     葛藤。」
早川さん 「人を救うつもりが、自分の裁判できちっと話をさせて
     いただくことくらいしかできません。麻原被告の法廷で
     裁判することについてはまた別ですが。できるかどうか
     悩みました。まだちょっとできない。弁護士さんにも言
     いました。そういう悩みもあった。今まで9(10?)
     年間、信じてきたんですからね。
      地下鉄サリン事件の法廷で、あれだけ信じてきた、
     (沈黙)
     井上君が一生懸命証言してもらったんですね。それでわ
     たしもやらなくちゃいけないなという、そういう勇気を
     随分与えてもらいましたね。」
弁護士さん「井上くんが。」
早川さん 「そうですね、そのつらさっていうのはよくわかります
     から。なんといっても井上君とは長い付き合いでしたし、
     教団にいるときの帰依とか信の深さを知ってましたから
     ね。他の人だったらどうかな。やっぱり井上君が一生懸
     命やっているのを聞いて、わたしも自分の法廷だけでな
     く、麻原被告の法廷でもやらきゃいけないな。」
(早川さん、めがねを取って、涙を拭いている。
 井上さんも泣いているよう。)

早川さん 「逮捕した当時は黙秘してましたから。わたしはしゃべ
     る気になった、その件だけきちんと話をしようという気
     持ちです。地下鉄サリンに関与してなかったのだけれど
     も、殺人罪で捕まってしまった。話きいてもらった警察
     や検察に対する不信の念が和らいだ。
      どうも麻原被告の霊的レベル、教えに対して疑念がで
     てきた。ほんとうにポアするだけの力があったのかなぁ。
     オウム以外の人にはこういう質問が出ること自体おかし
     いのですが。わたしは100%あると信じていたわけで
     す。だからそういう犯罪行為に手を染めて行ったわけで
     すけど。麻原被告にはポアする力があって、真理だと思
     って、それに対する疑いなかった。
      1%、2%疑念が出てくると、自分が耐えられなくな
     る。遺族の方とか被害者の方とかのこと考えるとしのげ
     なくなる。もう隠していてもしかたがない。麻原も逮捕
     されたし、今生、救済計画は失敗したわけですから。」
早川さん 「私が疑念を抱き出した原因、オウムから離れてオウム
     ではない情報が入って来る。オウムにいたときは疑念と
     して抑えてしまう。こういう逮捕された状況では、確か
     めることもできないし、どんどん、どんどん、ふくらん
     でいった。
      正直なところ、同じような、いろいろ反省している、
     元の弟子の方がおられますけど、その人なりに、一生懸
     命考えて、結論だと思う、それは立派だと思う。
      まだ疑念が生じて大きいけれども、まだ断定できない。
     断定するだけの力がない。正直なところ。」
弁護士さん「CHS、井上君が長官をやっていた、省庁制どのよう
     なことやらされてたか。」
早川さん 「諜報省、最初諜報する部署かな、しばらくしてきいて
     みると、ひじょうに非合法な方法で企業スパイのような
     こと。井上君、えらいところの長官になったものだな。
     合法的に情報を取るのではなく、企業スパイ。出家サマ
     ナではなく、信徒さんをそういうふうな教育してやって
     みる。サマナも危険を冒して。もっとも損な場所。」
早川さん 「いろんな別の会議で会ったときに、麻原被告と話して
     いるのをきくと、何か支部で問題起きると呼ばれて、後
     始末のようなことやらされる。他の省が問題起こすと、
          後始末やらされる。諜報省だから関与した。そうでなけ
     れば、関与してない。
      省庁制ができるまで、仕事は分散してた。諜報省がで
     きたがために、ややこしい仕事が与えられたのではない
     か。わたしの推測ですけど。」
弁護士さん「新実さん、ふつうの正悟師とくらべて?」
早川さん 「厳密にいうと、正悟師にも階級、ランクがある。村井
     さんが正大師になった、そのとき、正大師になってもお
     かしくなかった。正悟師長、正悟師長補、正悟師。(新
     実さん、正悟師長。青山さん、正悟師長補。)序列があ
     る。」
弁護士さん「麻原被告との関係。」
早川さん 「村井さん、新実さん、わたし、岡崎さんが、最初ヴァ
     ジラヤーナ、ポアということにかかわった。わたしは、
     村井さんや新実さんほどあがってない。ヴァジラヤーナ
     路線。教団の悪いものすべて知ってた。しかも側近。
      上祐さんは別格で、男では正大師として、信頼がある。
     (それと同様に?)村井さん、新実さん。
      私は新実さんに恐怖を感じたことない。
      わたしが知ってるだけでも、村井さんが大きなことに
     関与してる。
      新実さんと一緒に参加した人は、ひじょうに怖かった
     だろう。グルの意思を自分の意思として、自分が悪者に
     なっても実行する。そういうことで、まわりの人、たま
     らない怖さがあったのではないでしょうか。」
早川さん 「(井上さんに対して)直接他人には裁判でひじょうに
     わかってもらいづらいことある。しっかりと話して(わ
     かってもらえるように)がんばったらよいと思います。
      最初、解脱、悟りを信じて、麻原被告のもとで、こう
     なってしまったけど、解脱、悟りを目指すこと自体、悪
     いことではないから、井上君はそういう天分に恵まれて
     る人ですから、拘置所でたいへんでしょうが、そういう
     修行をがんばってください。」
弁護士さん「入信当時、ひじょうになかのいい仲間だった。当時、
     井上君や早川さんは、解脱をしたらどういう世(の中
     にしようとか)、夢を語りあったようなことあったか。」
早川さん 「わたしが井上君とお会いしたころ、ちょっとしたころ
     から、ロータス・ビレッジ構想が出てきた。
      解脱したらそういうことに尽くして、ほんとうに理想
     的な社会をつくっていきましょう。
      大乗大乗と利他。自己の苦悩を解決できないものが、
     どうして、他人の苦悩を解決できるんだ。
     まずヒナヤーナ、自己の完成。」
弁護士さん「早川さん自身も麻原が真理の体現、良心の葛藤、否定
     しなければならない。」
早川さん 「麻原が命じていることが正しいという理論があった。
     理解できる教えもありました。それにもかかわらず、躊
     躇する気持ちがあるのは修行できない。
      利他的な救済活動。事件の当事者にはどうか知りませ
     んが、わたしたちのポアということは少なくとも相手に
     とってもポアして失礼だし、今こういうこと言うの抵抗
     あるが、ポアしてやることが本人のためだと思っていた
     からできたんだ。」
弁護士さん「良心納得させる。実行する時間。」
早川さん 「ケース・バイ・ケース。わたしたち、まず1つ言える
     のは、軍人を例にとって(言うと)、教官の命令に対し
     て、いちいち、なぜというのないし、上官の?に従うと
     いう第二の天性としてある。組織としてそれ以上。グル
     の意思に従わなければならない。第二の天性。すぐには
     疑念が生じない。納得して行為を始めたとき、その後で
     出てくる。出てきて抑え、出てきて抑え、躊躇しながら
     やってしまう。」
弁護士さん「麻原、納得してしまう。」
早川さん 「盲信とは違う。盲信そのものもよしとする、無智。納
     得づけさせる理論、大義名分のようなものある。」
早川さん 「まず、最初に自省的に理解して。
      グルを批判するような目でみていない。あるレベルま
     でグルを吟味してた。そんな犯罪行為を犯させるような
     ことをいう人にいはみえない。理解できないこと言われ
     ても、何か深い意味があるのでは。」
弁護士さん「麻原に帰依、信がある。」
早川さん 「今の世の中はもうやさしい神々では救済されない世界。
     それだけ人類が煩悩的になっている。やさしい説法(マ
     ハーヤーナ)では救済されない。恐怖の神でないと救済
     されないと。実際にヒンズー教にも恐怖の神々に対する
     信仰はある。」
早川さん 「ポアされる(ことへの恐怖)、自分自身がひじょうに
     強くて、万年修行してたらないと思うが、まずいと思っ
     ても煩悩が。それをグルが突いてくると。
      できたら修行をしていきたい。
      グルがこいつは徳がへらないと思ってポアしてしまう、
     その恐怖によって。
      麻原被告の霊性、真理を疑うというものではない。」
弁護士さん「修行の天才。」
早川さん 「オウムのいろんな修行がある。誰にも真似ができない
     くらいこなす。オウムにはこんな修行がある、ほとんど
     トップクラス。霊視。彼が修行進んだ。神通力、超能力、
     霊性。内的なもの、外的なもの、両方。」
早川さん 「井上君は素質、ひじょうな努力、それに対してのめり
     こんでいるそういう(よう)なことを初期(から?)。
      井上君の場合、麻原被告の見方、大乗、自分が指示し
     たことができる人間、ワーク人間、早川、井上。彼の場
     合もともと個人的な瞑想修行好き。時間があればやって
     いる。個人的な瞑想修行の点でも、ワークの点でも進ん
     でいる。どんどん深めて、上の方の人みんなそういうレ
     ベル。」
検察官さん「井上被告の信徒集め、お布施集め、成果あげていた。
     どれくらいの信者を集めていた、どれくらいの金額。」
早川さん 「各支部、麻原被告から、お布施集めのNo.1は、
     アーナンダ・井上君ですね。」
検察官さん「各省庁の大臣が集まるときの(席次)」
早川さん 「最後から2番目。井上君か、越川君は最後か2番目。
      そういう席に割り当てられていた。大臣の各ステージ
     (で)割り当てられていました。正大師、正悟師、菩師
     長、愛師。席にまでステージ順。その間に皇子(こうし)
     といって、お子さん方が入りますけれどもね。」
検察官さん「各省庁の大臣と比較して、井上君の実力の実際のレベ
     ル、霊的レベル。」
早川さん 「本来的にはステージを麻原被告が判断されて。戒守れ
     るか守れないか、ステージを決める基準。
     菩師長が上、愛師長が下。」
検察官さん「出家、お布施集め、信徒集め、ひじょうに成績がよか
     ったと言われましたけど、そういうことから。」
早川さん 「むしろ逆に、弟子の中で競争心、嫉妬を感じる。
      嫉妬を感じたり、このやろうと思ったこともあるだろ
     う。正直言って、実力とかいうものはっきりわからない。
     そのときそのとき変化する。ただ1つ固定化されるの麻
     原被告が決める霊的ステージ。
      わたし自身井上君と同じ部署にいたことない。
      東京本部で井上君の下にいた人は尊敬している人もあ
     るだろう。」
検察官さん「被告人が諜報省の長官に任命された。」
早川さん 「麻原氏の感じるとこは推測になってしまう。
      それを聞いたとき、本来ならば、西信徒庁、東信徒庁
      (とあるうちの)、それまでは東信徒庁(東京本部が
      東信徒庁になったとみなせるから、本来ならば東信徒
      庁の長官になると思われるという趣旨の話)。
      井上君が(なるはずの)東信徒庁(の長官)になって
      しまった飯田エリ子さん、(東京本部の)前任者。井
      上君を何にするか。そんなどういうわけで。
      (正悟師を優先したのだなという趣旨の話。)
       諜報省。彼は信徒さんからひじょうに信頼があった。
      信徒さんからの情報をとらそうと考えたのではないか。」
検察官さん「被告人が、ヴァジラヤーナの教義を理解して、被告人
     (なら?)」
早川さん 「わたしは、井上君が信徒さんの(対応に?)対する評
     価されてて、ひじょうに信頼、関係深い。
      実質的、社会的な情報とる(のは)出家信徒では無理。
     在家信徒さんから情報をとる。推測として、そうじゃな
     いかな。」
検察官さん「証人が(井上さんが)正悟師になったのを知ったのは
     いつですか。」
早川さん 「3月22日にロシアから帰ってきてから。それ以降で
     すね。
      平成7年3月17日、新実さんそのとき正悟師長、
     (わたしは(早川さん)、)正悟師長補。数がどんどん
     増えてきて、その中でもランクつけなければ。」
検察官さん「地下鉄サリン事件当時、正悟師。ステージ的には、菩
     師、菩師長に命令できる。」
早川さん 「実際にはできない。他の人、指示聞かないと思う。反
     発心がある。
      制度的にはこういう制度だから愛師長、菩師長に命令
     できるけど、わたしには、ようしない。生命に関わるよ
     うな、ほんとうにたいへんなことですからね。」
検察官さん「麻原は、どうして、集まった人に、ヴァジラヤーナに
     参加できるか、きいたと思いますか。」
早川さん 「集まった人、(麻原被告が、)おい、ティローパ、わ
     たしはみんなに1人ずつヴァジラヤーナができるかきい
     ていった。わたしはできませんといったのカンカレー
     ヴァタ(杉浦実さん)。カンカレーヴァタしか、はっき
     りできませんと言った人はいません。大内さん(は、そ
     の頃もうヴァジラヤーナをやっていた)。その前後、ミ
     ーティングした人全員に聞いただろう。」
検察官さん「麻原、確認してた。」
早川さん 「その前に、石垣島、20人〜30人関与しないと動け
     ない。ほとんどその当時の古い大師は全員きかれている
     はず。麻原被告人の確認。確認をされたということが証
     明。
      教団が大きく変わったの選挙の前。会議してる。自分
     なりの納得づける。それと同じよう。教団ヴァジラヤー
     ナ。教団のメイン。当時の幹部集めて。」
検察官さん「ヴァジラヤーナに参加できないと言った、杉浦実さん、
     罰せられていたか?」
早川さん 「罰せられてないが、修行遅れた。上祐さんの弟分(と
     言われていた人だった)、実さんは。懲罰的な処分はな
     かったけれども、修行者としては。」
検察官さん「クーデターの話。(民衆の支持がないととったが)民
     衆のことを考えている(のならやるのでは?)。」
早川さん 「現世的な尺度。政権を取る。現世的な尺度。政党をと
     るという、民衆の支持、ゲリラ活動を支援する、そうい
     うようなことは理解されるはずがない。世俗的な基準、
     かみあわない。」
検察官さん「違法行為やるかどうか指示されたとき、極端な場合、
     人を。」
早川さん 「世間一般からみたら自己弁護してる。自己弁護してる
     のではない、そういう、教えを信じてて。こうこう、こ
     ういう教えがあるから、ポアするのが正しいといった。
     自己正当化というより、むしろ自己を滅して、火の中に
     飛び込んで、死ねといわれたら、死ななければならない。」
検察官さん「自分がポアされる恐怖。出家当時。」
早川さん 「ありました。」
検察官さん「いつ頃から。」
早川さん 「田口さんの事件あったとき、ほんとうに、教えだけで
     なく、そういう覚悟できている。でもそれは心の弱さだ
     ということで抑えてた。」
検察官さん「他人をポアして引き上げる。自分がポアされて高い世
     界に(行くのが怖いのか?)」
早川さん 「グルが健在なうちにポアしてもらったほうがいいとい
     う考えがあった。〜さん(田口さん?)のことを正直い
     って、いいなぁと思った。
      自分で1番いいのは修行する気持ちがある〜達する。
     霊的レベルをきわめる。ポアされてしまったらできない。
      ポアされた人はドロップアウトしてる。
      大量ポア(石垣島のこと?)、修行するものがなぜと
     言った(麻原さんに)。(麻原さんは)じゃあ助けよう。」
     (自分たちがめざしているのは高い世界への転生ではな
      く、転生そのものから抜け出す解脱であるという話も
      含まれていた。)
(ここで、カンカレーヴァタさんこと杉浦実さんのホーリーネーム
 と名前の確認。)
裁判長さん「麻原の教義の利他心。」
早川さん 「自分に従わない人に、悪業を積んでいるんだから、ポ
     アすることが利他心。
      真理、チベット仏教、テーラーヴァータも認める。オ
     ウムだけってことはない。真理を今まで守ってくれてい
     る。ヨーガも入っている。」
裁判長さん「オウムとして宗教として認めたとき、大量のポア。」
早川さん 「間違いなく信徒さん、そのへんは。
      事故にあう人もそういうカルマなんだ。ポアの対象に
     なるカルマがないと実現しないんだ。そこで一つの選択
     が作用。」
(早川さんの証言はここまで。
 井上さんと早川さん、お辞儀をかわしている。)

 ここからは、次回1月7日の確認。証人5人。
 横山さん、新実さん、土谷さん、中川さん、遠藤さん。どこまで
やれるかわからないけれども、とのこと。
 それから、調書を証拠として新たに認めるもの、留保するものの
確認。番号でなされるので内容はわからない。認めるものは要旨が
読み上げられるけれども、〜について、という程度でした。
 午前10時開廷で、閉廷は午後3時24分ごろでした。
 次回は1月7日(木)午前10時〜午後5時。
 今回と同じ425号法廷。

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 早川紀代秀さんについては、あまり宗教的でないという先入観が
あって、いろいろな方に、麻原さんを信じていたとか、信仰が深か
ったといわれても今ひとつ、納得しきれていませんでした。しかし、
今回の証言をきいて、やっと、ああ、信じていたんだなぁ、と感じ
ることができました。
 早川さんは恐ろしい面もあったらしいのですが、この法廷でみる
限り、ひとのいいおじさんという感じでした。高校生のときから、
面倒を見てきた井上さんがかわいくてしかたがないという感じです
ね。ほんとうに井上さんに対する愛を感じました。彼の有利になる
証言をたくさんしてましたね。
 この日は傍聴3度目だったので、前よりはだいぶ冷静にみられま
した。さすが弁護士さんは、井上さんの責任が軽くなるような発言
を引き出す質問をするなぁと感じました。
 しかし、この裁判での早川さんの話を聞いていると、麻原さんを
信じきってしまったら、もはや逆らいようがないですね。

>      そういう、良心的なものでてきても、抑えてしまう。
>     良心に従うのはオウムの教えではだめだ。」

>早川さん 「極端にいえば、主体性というものがあれば修行ができ
>     ない。グルと合一。最初は帰依がなくても(成就できる)
>     ラージャヨーガというのあったが。
>      イエスマンでないと自分が許せない。主体性があるこ
>     と自体、修行ができてない。村井のことイエスマン。そ
>     こまでイエスマンになれるのはすばらしいな。
>      会議で意見を言って、何が一番うれしいか。グルと同
>     じこと言ったときに。ごますりというのではなく、自然
>     にグルの意思にあわせてしまおう。真面目なひとほど、
>     そういうふうになる。」

>      (オウムでは、)思念が現象化する(という言い方を
>     する)。否定的なことをいうと、言ったことが現象化す
>     ると言われてる。グルができるだろうといったことでき
>     ないというな。(できなかったとき、)お前が言ったか
>     らできなかったんだと言われる。だから、村井は絶対に

>      本音を言っても、グルの意思と違っているの失格。グ
>     ルの意思がどこにあるのかをおもんぱかって発言する。

>      マハーヤーナしかみてない、遠い弟子はどう思うかわ
>     からないが、わたしはポアされた弟子知っている。グル
>     が、こいつはだめだと思ったら、ポアされる。それを実
>     行する弟子がいることも知っている。冗談だと思ってた
>     んではない。現実感として恐怖はありました。」

 井上さんは、ほんとうにいいひとだったのだなぁ、と早川さんの
話を聞いて思いました。純粋で、思いやりがあって、修行熱心で。
それが、殺人に関与して、法廷で裁かれている。彼の吹っ切れたよ
うな澄んで輝いた瞳と痩せこけた姿を見ながらやりきれないような
気持ちになりました。

 余談ですが、井上さんの法廷も前日の中川智正さんの法廷も最前
列でみてきました。
 しかし、クリマスイブとクリスマス当日だから、傍聴者が少ない
かと思ったら、1.5倍でした。3人に1人は外れるという。なぜか
くじ運が悪いのに当たりました。うれしかったです。
  24日は佐木隆三さんは中川智正さんの公判に、江川紹子さんは、
午後の大内利裕さんの公判を傍聴されていました。
  事実関係の確認だった、中川さんの公判は、午後にはほとんど人
がいなくなってしまいました。大内さんのほうに移ったひとも多か
ったです。中川さんも少なくなった傍聴席をみてあれあれっといっ
た苦笑いのような表情をしていました。
  中川さんの公判には、高橋シズエさんもいらっしゃっており、張
り紙の検察官の名前が間違って弁護人の名前になっていることを指
摘して、まわりを感嘆させるほどによく傍聴されているようです。
  25日の井上さんの公判には江川紹子さんがいらっしゃっていま
した。
 なお、24日は、上祐さんの運転手さんの某出版者を相手取った、
民事の裁判(名誉毀損)も行われたようです。なお、民事は代理人
だけでよいので、本人は来てないかもしれないとのこと。傍聴マニ
ア?のおじさんが教えてくださいました。
 それからやたらオウム裁判に詳しい若い女性のグループがいらし
てました。随分いろいろな裁判を傍聴しているようです。誰の裁判
がどういうところまで来ていて、今後の予定、日程がどうであるか
まで調べているようで、驚きました。
 さて、中川智正さんのほうの傍聴内容ですが、事実関係の確認だ
けだったので、後日、簡単に書きたいと思います。