ゆきさん傍聴記12月24日中川公判より。


12月24日(木)の中川智正さんの裁判より

 12月24日(木)に中川智正さんの裁判(林泰男さんが証人)、
25日(金)に井上嘉浩さんの裁判(早川紀代秀さんが証人)をみ
てきました。井上さんのほうはこの前ご紹介しましたが、今度は、
中川さんの裁判の内容をご紹介したいと思います。
 完全には書き取れなかったので、多少ことばが違うところがある
と思いますので、お許しください。
 ところどころ言葉が抜けてます。特にあやふやなところや補った
ところは()で囲みました。
 裁判長さんは、岡田雄一さん。425号法廷で、午前10時から
行われました。第28回公判です。
 発言した弁護士さん、検察官さんのお名前は記録できませんでし
た。すみません。
 佐木隆三さんと高橋シズエさんが傍聴されてました。江川紹子さ
んは、午後からの大内利裕さんの公判を傍聴されていました。
  高橋シズエさんは、通路の張り紙の検察官の名前が間違って弁護
人の名前になっていることを指摘して、まわりを感嘆させていまし
た。それほど、何回も深く傍聴されているのだなと思わせられまし
た。
 裁判の内容は細かい事実関係の確認でした。

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 中川智正さん、灰色のスーツを着て座っている。笑みを浮かべて
いる。色白で、ほほが上気しているようにみえる。傍聴席に微笑み
かけている?どなたか知り合いの方でもいらしていたのか。学生時
代の友人が時間さえあれば接見したり、傍聴したりしていたという
話を思い出す。
 証人の林泰男さん、灰色のスーツを着ている。厳しい表情をして
いる。怖いくらい。
 林さん、宣誓書を朗読する。

検察官さん「証人はオウム出家信者」
林さん  「そうです。」
検察官さん「入信昭和62年の春頃」
林さん  「63年12月初旬です。」
検察官さん「ホーリーネーム?」
林さん  「ヴァジラチッタ・インディシナ」

平成6年3月当事、菩師長で、平成6年6月に省庁制が行われたと
いうやりとりがある。

検察官さん「役職?」
林さん  「科学技術省次官。」
検察官さん「責任者?」
林さん  「村井。」
検察官さん「証人と教団の関係?」
林さん  「無関係」
検察官さん「既に脱会している?」
林さん  「はい、そうです。
     正式に脱会届出してない。気持ちの上では逃走始めた
     頃。平成7年7月頃。」
検察官さん「除名?」
林さん  「教団を心の中でやめているのと同じ頃。」
検察官さん「中川智正を知ってますか?」
林さん  「(中川さんのほうをみて)よく知っています。」
検察官さん「知り合った最初のいきさつ?」
林さん  「初めに知り合った頃、あまり記憶にないのですが、平
     成元年の秋から2年の初め、麻原の医療関係についたの
     見かけたの初めてでは。」
林さん  「波野村で活動していたとき、強制捜査。麻原の近辺
     (にいて)運転手とか。そのころ、中川と同行。」
検察官さん「被告人と一緒に修行したこと?」
林さん  「あったんだろうと思うが、明確には(記憶に)ない。」
検察官さん「(証人は被告人と)ワーク一緒にしたことありますか。」
林さん  「麻原の付き添いのようなことしているときに、中川君
     も麻原の付き添いのようなことをしていた。それ以外は
     ほとんどない。
      ただし、わたしがいなくなった信徒さがしている、そ
     のときは、何回か中川君を手伝ったことがありました。
      岡崎君をさがすとき、中川君の方から、岡崎君の両親
     に電話をしてもらって、間接的に岡崎君の住んでいると
     ころを聞き出すというのを、依頼した。」

ここで確認。
岡崎→岡崎一明
保田君→落田さん事件の実行役

検察官さん「被告人は教団内でどのような活動してると思ってまし
     たか。」
林さん  「最初の頃はオウム真理教での医療活動されていたんだ
     と思います。麻原の健康管理されていたんだと思います。
     事件を起こす頃は、麻原の雑用のようなことをしていた
     んだと思います。
      サリンプラントを作るようになってから、そこで働い
     ている(ひとの)健康管理のようなことやっていたと思
     います。」
検察官さん「証人は被告人と外国に行くということ。」
林さん  「ありました。」
林さん  「詳しいことは知りませんでした。麻原の健康管理とい
     うことで、付き添ってたと思います。」
林さん  「(被告人は)法皇内庁の長官であったと思います。」
林さん  「(被告人は)おそらく菩師長だと思うのですが、明確
     ではありません。」
林さん  「(被告人のホーリーネームは)ヴァジラティッサです。」
検察官さん「(証人は)地下鉄サリン事件に関与しましたか?」
林さん  「はい、しています。」
林さん  「教団で作成したサリン。」
林さん  「わたしは、電車の中でサリンをまくという実行役をし
     ました。」
林さん  「日比谷線です。」
検察官さん「証人以外に関与した人は?」
林さん  「麻原、村井、井上、豊田、林郁夫、廣瀬健一、土谷正
     実、杉本、北村浩一、高橋克也、外崎、新実、遠藤誠一。」
林さん  「村井はわたしたち実行役に対して、直接指示からは、
     麻原は村井に命令してて、井上君は途中から計画に参加
     するようになってきて、村井からの伝達や新たな指示、
     車の調達。」
検察官さん「実行役は?」
林さん  「林郁夫、豊田、廣瀬、横山」
検察官さん「それ以外(の人は?)」
林さん  「わたしたち実行役の運転手。」
検察官さん「遠藤誠一?」
林さん  「実行前にわたしたちにサリンの予防薬なのか解毒剤な
     のか、そういうの渡してくれました。」
検察官さん「証人の運転役は?」
林さん  「杉本君です。」
林さん  「(そもそもの発端)平成7年3月18日に、村井から
     ちょっと話があるから、あとで部屋に来るようにと。」
林さん  「3月18日の夜中、まだ明け方にならないうちに。午
     前1時、2時、3時。」
林さん  「第6サティアン。」
林さん  「(その時点では)あとで何かあると呼ばれだだけ。」
林さん  「(その後、村井の部屋に呼ばれて)そこで話を聞かさ
     れました。」
林さん  「明け方、5時、6時、それから7時。3月18日。」
林さん  「(村井の部屋は)第6サティアン3階です。」
検察官さん「村井の部屋には誰かいましたか?」
林さん  「最終的に、村井、林郁夫、廣瀬、横山というメンバー
     が集まりました。」
林さん  「(村井の部屋)畳2畳(半?)くらいです。部屋の広
     さ。」
林さん  「(証人も含めて5人入ると)かなり窮屈な状態。」
林さん  「村井の方から、地下鉄にサリンをまいて欲しい。これ
     は麻原の指示。(麻原の指示というのは)言葉がはっき
     りしてたかおぼえていない。何らかの示唆があった。」
林さん  「(村井、目的)近々強制捜査が入る。その妨害のため、
     または、阻止するため。」
林さん  「地下鉄にサリンをまくのは、村井以外のそこに集まっ
     たメンバーと豊田。」
林さん  「村井はに地下鉄にサリンをまいてもらうと言われて、
     初めはやはり嫌だなという思いが結構ありました。」
林さん  「(どうして嫌だな)サリンをまくということは、人に
     危害を与えるということがわかったからです。」
林さん  「その時点では、そこまで深刻に考えていません。心の
     深層では思っていました。」
林さん  「もともとのサリン、戦争に使われる殺傷能力があると
     いうのわかってました。」
林さん  「(わかっていたの)湾岸戦争があったころ。そのあと
     の。」
検察官さん「証人が教団内でサリンが製造されてるか知ってました
     か。」
林さん  「はい、知ってました。」
林さん  「わたし、サリンプラントの製造に加わっているから、
     そのこと知りました。」
林さん  「第7サティアン。」
林さん  「わたしは電気関係の仕事をしています。」
林さん  「その頃に起こった、假谷さんの事件が起こって、その
     ことが教団がやったことが暴かれて、強制捜査を受ける
     のでは。
      平成7年、第7サティアンの近辺からサリンの残留物
     発見された。その頃、警察の強制捜査があるかもしれな
     いという噂。
      (強制捜査が入ると)かなり教団の活動が制限される
     だろう。それから、今までの悪事が暴かれるだろう。
      すぐ麻原が逮捕されるの難しいのでは。」
検察官さん「サリンをまくこと拒否したのか。」
林さん  「いえ、していません。」
検察官さん「すぐに承諾しましたか。」
林さん  「いえ、すぐにはできませんでした。」
林さん  「初めは村井から、断りたかったら断ってもいいんだよ。
      黙っていると、一人ずつ念を押すような感じで、どう
     だ、やってくれるな。みんな承諾。わたしも承諾しまし
     た。」
検察官さん「証人が村井の指示を断れるのに承諾したのは?」
林さん  「断った場合、必ず記憶を消すために、ニューナルコを
     されるだろうと思いました。もしくは、そのようなこと
     をされた場合、自分の思っていること、麻原に知ってい
     ると(知られると?)まずいという自分が悪いことをし
     た(のを)知られる。
      女性との破戒行為やそれ以外の数々の破戒行為。麻原
     が指示しているヴァジラヤーナにある程度反発するよう
     な行為。」
林さん  「(そのようなことが麻原に知られたら)前年に亡くな
     った中村とおる君と同じように殺されてしまうんではな
     いかということが、わたしの中で1番思っていたことで
     す。」
検察官さん「ヴァジラヤーナ?」
林さん  「教団内でなされている非合法的な活動。それを総称し
     てヴァジラヤーナ。」
検察官さん「正当化する教義、それをヴァジラヤーナと呼ぶことが
     ありましたか。」
林さん  「はい、ありました。」
林さん  「(証人以外は)それが教義として行われ、他のものた
     ちは、教義的な思いというものをもっていたと思います。」
検察官さん「村井の独断?」
林さん  「1番初めに指示されたときから、麻原の意向であると、
     指示されていたように思います。
      その後、麻原の考えきかされてる。(その後の村井の
     説明では)サリンのまき方についての麻原の指示。格好。
     かつらをかぶるようにというの、麻原から指示されてい
     る。
      (村井が)ジュースのような缶にサリンを入れてまけ
     ばいいのでは(というと、麻原は)、ばかだなぁ。それ
     は自分がやられて(しまう)。」
(中川さん何かメモしている。)
林さん  「(村井からの説明)警察官に被害を与えたい。警視庁
     のある3つの路線。
      (3路線を決めるにあたって)村井が路線図の乗った
     地図。
      (村井からの説明)話し合いがあったの18日(土)。
      (20日と決めたの)ウイークデーで、乗客数が多い
     ということがあった。
      (村井から説明あったと思います。)ニュアンス。
      (8時)朝の通勤時間に。」
検察官さん「サリンすぐに準備できていると。」
林さん  「いいえ、思っていませんでした。
      村井がいうには、サリンはこれから作る。
      (村井の部屋、当事は時間に縛られない生活をしてい
     たので、)時間あやふや。2、30分とか3、40分。
      (その後は)同じ第6サティアン3階にある自室で休
     んでました。
      廣瀬、豊田。彼らは容器を実験する。
      (第6サティアン)わたしの部屋に井上が現われまし
     た。」
検察官さん「何時頃?」
林さん  「おそらく、当日夕方の3時〜5時の間ではないかと思
     います。」
検察官さん「証人の部屋に来たのち?」
林さん  「サリンをまく計画について、話し合い。
      (井上)「マンちゃんから、もう、その話きいたの?」
      初めはこのような重大な話を井上にしてよいのだろう
     か。既に知っている。村井、麻原から何らかの指示があっ
     たのだろう。」
林さん  「(井上から)その後は車の調達、運転手はだれにする
     のか、東京で集まる。」
林さん  「(なぜ井上が加わるのか)車の調達、そういう準備、
     自分。村井にはまかせておけない、という失礼なことも
     言ってました。
      車が5台昼用になる。東京ナンバー。自分でないと、
     そういう調達できないんだと話していた。
      井上(は)、運転手役として、杉本、寺嶋、平田の3
     名がいいのではないか。」
林さん  「東京の集まる場所、井上の諜報省で何箇所かあるあか
     ら、そこに集まればいいと思ってました。」
林さん  「(このような話具体的に)そのようなこと考えたけれ
     ば、井上一人で考えればいいじゃないか。
      そこにあげられた(ひとは)ふさわしくない人々。」
林さん  「<平田>
      その当事、わたしと一番仲がよかった。直前に行われ
     た假谷さん事件に(加わって)もうそのようなことした
     くない。井上のところでは息もできないくらいだと、わ
     たしに漏らしていた。そのような彼を使うのは心苦しい。
      <寺嶋>
      杉本君から、その当事精神的におかしくなっていて、
     仕事もちゃらんぽらん。わたしも杉本と同じような感想。
      <杉本については>
      こういうヴァジラヤーナの活動は反対ということ、し
     ばしば話していた。
      彼にはそれ以外に、わたし自身が疎んじるようなとこ
     ろ。嫌だな。
      (林さんは井上さんに)平田と寺嶋については、彼ら
     はまずいといいました。杉本についてはいいませんでし
     た。
      反対したときの井上君の様子みて、3人が3人とも反
     対というのはまずいな。わたし自身が疎んじているから
     嫌なんだっていうのは。
      井上君は「反対するんだったら、他に誰か言い人いる
     の?」
     そういわれて黙っていると、「じゃあ仕方がないんじゃ
     ない。彼らはサリンについて知っているし、ヴァジラヤー
     ナの活動いくつかしているんだから、ふさわしいんじゃ
     ないの。」」
林さん  「「それ以前、VXガスのとき注射器を使った。今度も、
     使えばいい。1人200cc。今度200cc入る大き
     なのないの。治療省の林郁夫さんもききにいこう。まき
     方については麻原の指示で決まっているんだ。」
     言わなかった。井上は麻原の指示によって、ある程度わ
     かって。反対したとき、井上の反応芳しくなかったので、
     まく方法、わたしが口を出すのまずいな。
      10分程度。」
      (その後証人は)林郁夫のところに行きました。若干
     遅れて井上君。
      (林郁夫)第6サティアンの3階。2、3人の人と仕
     事をしているようでした。
      (証人、井上、林郁夫との話し合い)浣腸器があるの
     かということ。林さんから浣腸器はないけれども、この
     ような方法がいいのではないかという話がありました。
     浣腸器の代わりに点滴の袋をつかったらいいのではない
     か。袋からチューブをのばして、ズポンをとおして、チ
     ューブの先から。
     (林郁夫の話に対して)わたしは、それでいいのではな
     いかと迎合するようなことはいったんではないか。井上
     は、足にかかってしまうと、反対していた。
      井上君がVXガスの犯行に加わってたの知ってました
     し、既にそういう犯行を行った実行者として。如実な危
     険と知っている上での言葉だと思いました。
      結論はでませんでした。いいとも悪いとも。10分く
     らい。その後は村井の部屋に行きました。」
検察官さん「どうして?」
林さん  「井上から村井の部屋に行って、わたしたちの話の内容
     を伝えるように言われました。
      (井上が行かなかったの)郁夫さんと話があると言っ
     てました。
      村井の部屋の外にたたずんでいました。
      部屋の中では、村井と廣瀬と横山が3人で話をしてま
     した。そこに加わって同じような話をしているのいやだ
     な。
      村井と廣瀬、対面するような。3人の真中には地下鉄
     の路線図。
      井上、「駄目駄目、そんなんじゃ駄目だよ。」と自分
     のショルダーバッグの中から大きな地図を出して。
      井上君が入ったので、わたしも入りました。
      5時半頃。
      ショルダーバッグ。初めに出したの、大きな路線図の
     ある地図の本。大学ノート大。
      小さな本。いろんな駅の乗客数が書かれていたと思い
     ます。
      その後話し合われた内容、犯行の時間、どこで乗って、
     どこで降りるか、どの車両。
      犯行時間は最終的に、8時前後にいっせいに。
      感じとしては井上君がいろんな資料を村井さんに見せ
     て、村井が決定しているようでした。
      小さな本に棒グラフが書かれていて、乗客数の多い時
     間。そのようなことから決められたのではないかと思い
     ます。
      (一斉にサリンをまく理由)村井が言うには、みんな
     いっしょにしてしまわないと、できる者とできない者が
     でてしまうと。
      (担当路線は)村井が一方的に決めていたと思います。
      わたしは、日比谷線担当。上野で乗って、秋葉原でま
     いて降りる。
      全員決められたと思います。
      降車駅、サリンが染み込む時間差10〜15分。霞ヶ
     関の手前15分くらいの駅。村井が路線図など見ながら
     決めていた。
      日比谷線の反対むき、豊田。
      丸ノ内線、廣瀬、豊田(廣瀬、横山?)。
      千代田線、林郁夫。
      (乗る車両の位置)目標として、警察官に被害いを負
     わせたい。警視庁に近い出口に。霞ヶ関に近い車両の位
     置。警視庁に近い階段の近くに止まる車両。
      (他に村井から何か指示されたこと)かつらの購入。
     あらかじめ駅の下見をするように。
      (証人が村井のところに行ったの、井上に話を伝える
     ため(に行くように))はい、そうです。
      (車や運転手の話)村井に伝えた。
      (運転手の話)わたしか井上君から。
      (村井の反応)なんでそんなの(車)がいるんだ。そ
     んなの電車でいけばいいじゃないか。
      (井上君)それじゃ、電車が止まってしまって、帰っ
     て来られなくなる。
      村井は納得してました。
      麻原にお伺いを立てると言ってました。
      サリンはできあがったら東京に届けると言われてます。
     村井自身、または、遠藤が届けると言ってました。30
     分前後、1時間以内。村井の部屋(にいたのは)。
      あまり明確な記憶ではないんですが、ポアという言葉
     を使って、人が死ぬと(いう)話をしていたと思います。
      その後は井上君と食事に行きました。ココスというフ
     ァミリーレストラン。日が暮れる頃。午後の7時前後。
      (井上と話。話題。)井上君から、廣瀬、横山が、準
     備しているサリンの容器の検討が終わったら東京に来る
     ように。杉並のCHIが使っている部屋、平田が知って
     いるので。その家には假谷さんの事件のとき使ったかつ
     らがいくつかあるので、それが使えるか検討するように。
      (東京へ移動する前に証人がやっておくべきこととし
     て井上から言われたの)東京へ行くメンバー集めて、一
     緒に来るように。」
      東京へいく旨、連絡した。
      杉本(に)、(自分が連絡)しているはず。
      平田信(まこと)、してるはず。
      寺嶋(は)、杉本に頼んだのではないかと思います。
      (ココスで食事後)その後は第6サティアン3階に戻
     りました。廣瀬、横山の実験が終わるの待ってました。」
検察官さん「証人はなぜ容器の実験の様子を見に行ったか。」
林さん  「井上から容器の検討実験が終わったら東京に。
      その状況みてた。
      横山の部屋(には)、横山、廣瀬。豊田もいたと思い
     ます。」
検察官さん「会話?」
林さん  「会話の内容はほとんど憶えてないです。
      村井の方法、麻原の方法では無謀で、自分たちも被害
     にあうのではないかと誰かが。
      (容器)決まりませんでした。
      (結局、東京には)向かった。19日の朝7時、8時。
      時間に関しては、ルーズな生活してたので、1時間
     (くらいは)時間差ある。」
検察官さん「東京に行くことについて、村井からどのような指示が
     ありましたか。」
林さん  「みんなをつれて、東京にいって、買い物と下見をする
     ように。
      すみません、思い出しました。
      サリンの容器については、もういい。こちらで検討す
     るから。きみたちは出発しなさい。
      村井自身が何か考えるんだろうと思いました。
      実行役を集めてみんなで東京に向かうときは、杉本、
     廣瀬、寺嶋、・・・。
      東京への交通手段、車2台。
      1台、ふだんわたしが使っている白いチェイサー。わ
     たしと、平田、寺嶋、豊田。
      もう1台。
      高井戸インターを出たあと、環状8号線を北上して、
     どこか、〜に少し入ったところ。
      (建物の構造)一軒家がありました。午前11時。
      平田信が用意した杉並の一軒家に全員が入りました。
      (間取り)玄関を入ると正面にまっすぐ(ろうか?)、
     右に3つ部屋。左、台所、トイレ、風呂。
      掘りごたつのあった部屋に行った。
      井上がいて、迎えてくれるんだろうと思ってました。
     実際、〜いませんでした。
      初めは井上から言われたとおり、かつらの検討をしま
     した。かつらは平田が探して持ち出してきて、わたしに
     渡しました。3〜4個、または、4〜5個。それくらい。
     結果的に、わたしが使ってない。横山君一人だけが、そ
     の中の1つが似合うのではないか。
      かつらの検討が終わって、かつらは横山だけ。後は、
     買いに行かなければいけない。スーツも買いに行かな
     ければいけない。」
検察官さん「林郁夫は杉並のこの部屋に来てない。」
林さん  「はい。村井から林郁夫さんは、わたしとは同行しない
     可能性としては、井上からそのように言われてたのでは
     ないか。
      進行役とは、話をある程度まとめていたのは、わたし。
      どいういう話し合いで担当路線は決まっている、その
     いきさつ記憶はまったくない。
      (サリンをまく方法、話題)廣瀬君が、サリンを電車
     に座った状態で、座席の下あたりで転がせばわからない
     のではないか。
      座席に座るには始発になって、凄く遅くなる、渋滞に
     巻き込まれてしまう。それだったら、犯行する駅の近く
     にホテルをとって、そこから犯行に。
      車が混むと言ったのは運転手役。それ以上のことは、
     わからない。杉本君が乗車駅降車駅混んでしまって迎え
     に行けないという話があったけど、そういわれれば、そ
     うかも。
      (ホテルでも取ったらという話は)平田信。
      話し合いといっても、暇だから、手持ち無沙汰だから。
     考えている人は。」
林さん  「(下見をするためには実行役と運転役のペアを決める)
     わたしが決めました。わたしと平田、一緒に。あと、そ
     れ以外。ペア平田と。平田は私と同じ考え。当事最も中
     のよい。
      豊田と林郁夫、運転手役決まってない、そのまま。」
検察官さん「新宿について証人したこと?」
林さん  「初めに食事をしました。
      タイ料理のバイキング。バイキングが終わるころ。2
     〜3時の間。その後は、買い物をしました。場所、三越
     デパートの地下のかつら。
      (証人は)かつらを買ったのち、洋服屋、めがね。
      ビジネスマン風のスラックス、ワイシャツ、ネクタイ、
     ベルト、〜、ハーフコート、靴下。
      ビジネスマン風にみえる。
      (買い物の後)駅に下見にいくメンバーとそうでない
     メンバーに分かれた。
      買い物が終わってからいったん駐車場に。」
検察官さん「廣瀬、横山、杉本、寺嶋、4人下見に?」
林さん  「はい、そうです。
      わたしたちは新宿でふらふら。」
検察官さん「証人はなぜ下見をしなかったのですか。」
林さん  「こういうこと計画進んでいく(のが嫌?)」
林さん  「サリンをまくための容器、ジュース・・・
      (買い物で、一応こういったものをみて買ったという
       主旨の話)
      そのときは、平田、豊田、わたしの3人で。」

裁判長さん「計画が実行されることはないだろうと思った?」
林さん  「(現実味を帯びてきたの)その日の夜。
      その後、渋谷ホームズに集まったとき、サリンができ
     たと井上くんが。」

※ ここまで、午前の分です。さらに午後の分に続きます。

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※ ここから午後の分です。

 傍聴人がほとんどいなくなっている。大内利裕さんのほうに移ら
れた方も多い。記者席も2人くらいしかいらっしゃらない。佐木隆
三さんは残っていらっしゃる(一般傍聴席)。
 中川さんも少なくなった傍聴席をみてあれあれっといった苦笑い
のような表情をしている。
 となりの法廷がものすごく騒がしい。被告人と傍聴人たちが叫ん
でいるようだ。
 裁判長さんが静まるまで待たせる。
 中川さんは弁護人さんと何か話している。

林さん  「杉並の一軒家に戻りました。午後7時前後。」
検察官さん「戻ったとき誰かいました?」
林さん  「下見にいってたメンバー。そのときにみかけたメンバ
     ー、●●●●●さん(諜報省の信者さんのG・Tさん。
     偽の履歴書を就職先に提出したとして、有印私文書偽造、
     同行使の罪に問われた)。
      また井上君が戻るのを待っていた。掘りごたつがある
     部屋で待ってました。
      (井上は一軒家に)来ました。
      わたしがついてしばらくたったのだから、7時前後。
      井上は何名かのものといっしょに来ました。憶えてい
     るのは●●さん(井上さんと宗教学者さんの元の家に爆
     弾を仕掛けに行き、青山総本部に自作自演の火炎瓶を投
     げる事件の実行をした信者さん)だけでした。
      井上から確認、新たな指示。
      確認(は)、犯行の目的、担当の路線、乗降車駅。
      井上君からは、まず初めに、自分の受け持ちのところ
     だけ記憶しておけばいいから、他人のところはいいから。
      (計画の目的について。井上から)強制捜査の妨害の
     ために行うという話がありました。
      (新たに決まったこと)運転手役が変わる。
      (井上から)麻原の指示によって変わる。新実、高橋
     克也、杉本、北村、外崎。当事はホーリーネーム(で言
     われた)。
      (井上の指示、どれくらいの時間)ひじょうに短くて、
     数分間。
      (井上の口調)ひじょうに慌てているような、急いで
     いるような口調。
      (今後の証人たちの活動について)その後、渋谷ホー
     ムに、そのとき移動の話がなければおかしい(あったの
     ではないか)。
      わたしは誰とペアなのか。井上君から、ガンポパ(杉
     本繁郎さん)。運転手役の誰とペアになるのか、井上、
     わたしが尋ねたから、仕方なく答えた、といった感じ。
      島田邸爆弾事件。平田信、寺嶋運転手役から外れたか
     ら、平田は一緒に島田邸。井上から誘われて、一緒にい
     くことになりました。現場に立ち会って、爆発を見届け
     ています。
      その後、杉並の一軒家に戻りました。
      渋谷へ移動したメンバー、杉本、高橋、豊田、廣瀬、
     横山。
      渋谷へ移動する最、杉本とした話、運転手役と実行役
     についてのペアの話。
      「誰の運転手役」
      「わたしといっしょ。」
      「誰が決めたの。」
      「麻原。」
      その場所、初めて。」
検察官さん「誰が案内?」
林さん  「高橋克也だろうと思っています。」
検察官さん「渋谷ホームズの何階?」
林さん  「高層のマンション。1、2階ではない。もっとずっと
     上ということもない。」
検察官さん「渋谷ホームズの間取り?」
林さん  「大きなダイニングルームひとつ、小さな部屋1つ、キッ
     チン、風呂場。」
検察官さん「渋谷ホームズの部屋で何を?」
林さん  「当日購入したスラックスのすそ上げ。」
検察官さん「その後、渋谷ホームズに誰が来ました?」
林さん  「井上君が来ました。興奮している様子でした。それ以
     外で、いつどうやって入って来たかわからないけれど、
     もう1人のサマナがいたという記憶があります。
      その後、林(郁夫)さんが来ました。突然やって来た
     記憶しかないです。(井上さんが?)郁夫さんが来たの
     ち、そんなに間をあけずにやってきました。
      井上、豊田、林郁夫、横山、廣瀬、新実、北村、高橋
     克也、外崎、(杉本?)といった11名のメンバー。
      また、井上君からの指示の確認。新たな指示。最後の
     注意事項。話がある、みんな集まれ。
      状況として、井上君が玄関(のほう)、半扇状に座っ
     て井上君の話を聞く。
      12畳。
      井上のまわりにいたメンバー、声聞こえる。
      最初にこの犯行の目的。その後に、それぞれの担当の
     役割。強制捜査妨害。個別の指示など。
      運転手。
      犯行時刻、8時にみんな一緒に行わないと、誰かが先
     に行ったりすると、他のものができなくなる。
      前から2両目。それぞれ違った。警視庁に近い出口。
      乗るべき車両の位置。ドアのわきに立つように。座席
     の横。そこに立って犯行を行うように。
      サリンについて、井上は、1人、1000ccまたは
     1リットルという感じで持つことになった。
      その後、下見をしてくるように。
      井上君の一通りの指示があるまでは、誰も話をしてい
     なかった。
      所持金のない人、1人5万円ずつのお金を配ってまし
     た。突然、お金いるか、と言われて、5万円を目の前に
     差し出されました。
      (証人は)5万受け取らなかった。
      (なぜ?)おそらく、そのとき、わたしは5万円近い
     お金、それ以上のお金をもっていたからだろう。
      (井上は連絡先について)連絡先は井上から携帯電話
     の番号を聞いて、メモするものもあった。
      (下見)杉本と2人で行きました。午後11時前後。
     車で行きました。秋葉原に向かう途中、杉本、指示は、
     井上君から聞いているわけだから、改めて聞くような話
     はしていなかった。
      電車の乗ったの12時ごと。それより前についたんだ
     ろう、秋葉原。
      1人で秋葉原から上野へ。
      上野から秋葉原に戻ってくる。
      (当日乗る電車)時刻表をみて、8時に1番近く(着
     く)時間について。
      秋葉原について、杉本君と合流した。2人でみた、秋
     葉原。
      渋谷ホームズに戻った時点。初めにいた11人のメン
     バー。みな戻ってきた。
      車を調達しに行くように指示、最初は井上君から(だ
     と)思いました。
      車の引き取りに、高橋、杉本、外崎(と証人の4人)。
      車の調達、信徒さんの家(うち)、代々木の。
      黒いベンツ、グロリア、・・・。」
検察官さん「犯行当時、運転役5名。車5台必要。調達できたの3
      台。残りの2台どうするか話し合ったか?」
林さん  「あったと思います。車をどのように調達するような話
     になったか知らない。」
検察官さん「この時点で渋谷ホームズにサリンは?」
林さん  「ありませんでした。井上君が自分でサリンを取りに行
     くことになりました。」
検察官さん「サリンについて、証人の携帯電話に?」
林さん  「合計3回。村井からの電話。」
検察官さん「3度とも?」
林さん  「はい、そうです。
      下見から戻ってきて、1度目。
      「今、どこにいるんだ。」
      「今、(渋谷ホームズに?)帰るところです。」
      2度目の電話。
      「上九に戻ってくるように。」
      わたしは、井上君がそちらに向かっているから、(と
     話した。)
      他の者たちと上九に戻るかどうか。井上にまかせてお
     けばいいんじゃないか。
      (井上君に携帯電話通じなかった話があった。)
      上九一色村、圏外と携帯電話。
      村井から3度目、ひじょうに怒り狂ってるような感じ
     で、頭ごなしに、「何やっているんだ。アーナンダは関
     係ないんだ。そんなことやってると失敗するぞ。」。
      今までそんなこと言われたことないんで、ひじょうに
     驚きました。
      車2台に分乗して、実行役。」
検察官さん「上九一色村の教団施設のどこ?」
林さん  「第7サティアンに。第7サティアンでした。午前3時
     前後。
      第7サティアンの1階の中央くらいのところに小さな
     部屋。そこに入りました。広さは8〜10畳。
      その部屋にいたメンバーは、実行役5名、村井、途中
     から井上。
      ビニール袋につめて、かさの先端で突くように。
      実際のときと同じように、練習するように。
      練習するとき、練習用の袋、村井から。
      かさ、どこにでも売っているような。」
検察官さん「村井がいったように、水袋で練習したのですか。」
林さん  「はい、しました。一人ずつ。
      ビニール袋を新聞紙で包んで、練習を行うこととなり
     ました。
      (新聞をもってきたの)遠藤君自身か、遠藤が誰かに
     頼んだか。」
検察官さん「練習は全員がやったのですか?」
林さん  「当時は全員がやったと思っていました。
     (注.手記などによると、林郁夫さんがやっていないは
      ず。)
      その後、実物のサリン持ち出されて。」
検察官さん「実物のサリン、どのような形で。」
林さん  「村井がわたしたちの(いた)部屋の中央くらいに持ち
     出したと思います。」
林さん  「1つずつはビニール袋。全体はダンボール箱。」
検察官さん「サリンの袋をみて、証人はどう思いましたか?」
林さん  「記憶にありません。」
検察官さん「出されたサリンについて、村井は何か説明?」
林さん  「サリンの袋は11袋。誰か1人が3つ。誰か1人が3
     袋。わたしに、持ってくれないか、持つように。
      サリン、そっぽ向いてる。誰か1人は、その後、村井
     がやってきて、「やってくれるか」。
      (証人は)「はい」と言って、引き受けました。
      (サリンの袋、3袋引きうけることにしたのは)これ
     は村井からの命令である。村井からの指示。断れない。
     その状況では断れない。」
裁判長さん「一般的な指示で断れない?」
林さん  「このような重要な案件ではできない。
      村井から指示。
      麻原が、わたしが持つだろうと、言ってました。
      考えるより、瞬間的に、憤り。
      麻原が村井にそういうこと言った。わたしにやらせる
     と決まっているのに、希望者を募って。偽善的な。むかっ
     ときた。
      犯行後、かさの先端、洗い流すように。
      ごみ袋を用意して、犯行に使ったもの、持ちかえるよ
     うに。井上から、井上君の指紋がついているから、必ず
     持ち帰るように。
      新聞は静岡版、山梨版という教団を連想されるような
     ものはやめるように。」
検察官さん「第7サティアン、遠藤誠一も。遠藤は?」
林さん  「新聞紙持ってきたその後、錠剤、遠藤君が出した。錠
     剤、犯行時間前の1時間または2時間。」
検察官さん「証人が第7サティアンで説明を受けたの」
林さん  「1時間くらい。」
検察官さん「その後、東京の渋谷に戻ったのですね。」
林さん  「はい、そうです。
      (村井からの指示)高速道路、使うな。
      これは麻原からの指示。
      河口湖インターからのると、車のナンバー記録されて
     しまうので、その先のインターから。」
検察官さん「証人は渋谷ホームズに?」
林さん  「その前に買い物をしてます。手袋、セロテープ、紙袋
     の3点を買いました。
      全員戻ってきました。」
林さん  「サリンの分配、着替え。」
検察官さん「サリンはどこに置かれていました?」
林さん  「リビングの中央あたり。バッグの中。どちらかといえ
     ばスポーツバッグ。それをそれぞれの受け持ちの分量だ
     け持って。」
林さん  「取り出していたら、いくつかの袋の1つが、内袋から
     サリンが漏れてるの、自分で手にとって、確認したとこ
     ろ、漏れてるの(がわかった?)。
      漏れてるの1袋取り出したので、(それを含めて)3
     袋引きうけた。
      袋の中のサリン、その時点は色には気がつきませんで
     した。新聞紙に包むときに、間違い無く色ついてるな。
      服装(は)、スラックス、ワイシャツ、ネクタイ、か
     つら、その上にハーフコート。
      その後は、解毒剤を飲みました。遠藤から受け取った
     状態。林郁夫さんから注射器1本。具合が悪くなったら、
     その注射を打つように。」
検察官さん「証人以外の実行役?」
林さん  「全員に渡していたんだろうと思います。ハーフコート
     の内ポケットに入れたように思います。」
検察官さん「証人が渋谷ホームズを出たのは?」
林さん  「6時前後。」
林さん  「紙袋、サリンの袋3つ、かさ、セロテープ。
      杉本さん、車の中で待機。
      途中で買い物。秋葉原付近のコンビニ。」
検察官さん「買い物をしたのは誰?」
林さん  「杉本です。」
検察官さん「杉本に買い物を頼んだ理由。」
林さん  「わたしが実行役のような重いことをやるので、その他
     の雑用は杉本がやってくれるという暗黙の了解。
      杉本は新聞を買ってきたわけです。表紙に指紋がつい
     ているので1面は使わない(ように言われた)。
      ペットボトル入りの水。2リットル?」
検察官さん「杉本はごみ袋を買ってきましたが、どのようなごみ袋?」
(答をメモとり損ねました。)
検察官さん「杉本は、はさみを買ってきていない。」
林さん  「最終的には買っています。」
検察官さん「どのような手順で?」
林さん  「ひざの上に新聞紙を広げて、サリンの袋を3段重ねし
     て、3つともいっぺんに包む。(サリンが漏れていない)
     2つについては(外袋を)はさみで(切って取り外した)。」
林さん  「(杉本さんから)秋葉原駅でどれくらい待ってたらい
      いか聞かれた。そこでわたしの方から10〜15分。
      地下鉄日比谷線、上野駅。
      仲御徒町駅から出歩いた。駅のまわり歩いた。」
検察官さん「やりたくないというのはどういうことですか?」
林さん  「ひとを殺めようということをしているのだから、その
     ようなことはやりたくないと思いました。
      逃げ出すことはできない。もうやるしかない。」
林さん  「(電車の時間)7時56、7分だろうと思っています。」
検察官さん「3両目。証人が受けていた指示では前から2両目。」
林さん  「多くの人が乗っているんだろうから、それは嫌だな。
      隣の車両。」
検察官さん「多くの人を死なせたくない?」
林さん  「はい。」
林さん  「1つの車両の真中。紙袋の中から、サリンの袋。
      気がついたら丁度ドアとドアの前に来ていた。
      その後はサリンを足元において。
      目立たないように。
      秋葉原。
      車の助手席に乗り込んで。
      (杉本と会話)杉本君の方から「どうだった?」
      言われたとおり、やったと。」
検察官さん「証人と杉本は渋谷ホームズの部屋に戻ったのですね。」
林さん  「はい、そうです。」
検察官さん「かさはどのように。どんな場所に。」
林さん  「地下駐車場。」
検察官さん「証人が受けた指示は。」
林さん  「かさを持ちかえる。
      麻原を〜、井上や村井に対する、憤り、許せないのを
     かさにぶつける、そのような行動。ごみ袋は部屋の中で。」
林さん  「帰ったとき、井上君から「どうだった?」ということ
     を訊かれました。「言われたとおりにやった。」という
     ことを答えています。」
検察官さん「どのような映像?」
林さん  「救急車が来て、多くの。
      TVをみたときでした。鼻水が出て。」
検察官さん「証人は何か治療を?」
林さん  「林郁夫さん。」
検察官さん「林郁夫から治療を受けた結果。」
林さん  「3回めに注射をうけて、もう1回受けようとしたら、
     心臓が凄い鼓動になっていた。呼吸困難から心臓。
      (証人と杉本以外の)全員戻って来ました。
      廣瀬、北村が最後に遅れてきましたが、全員。
      数名の者がわたしと同じ治療をうけた。
      その場で、ごみ。
      焼却。
      わたしの提案で、多摩川の河川敷。
      きっかけ、井上君、新実くん、もたもたしていたから、
     早く終わらせて、みんなと別れてしまいたい。早く解散
     したい。
      井上君の運転手をしてた井田君はごみの焼却に向かい
     ました。」
検察官さん「渋谷ホームズから出たとき、誰かと会話?」
林さん  「新実と。新実君の方から、これで麻原がいうように、
     強制捜査が1ヵ月伸びますかね。
      (証人が)1週間くらいが、いいとこじゃない、と答
     えた。」
(ごみを焼却に行ったのは)1台は井上の運転手の、もう1台は、
証人、新実、杉本。
林さん  「国立インター、八王子方面。
      途中で買い物2回。1度目は灯油、マッチ。2度。も
     しかしたら、軍手なども。
      ごみを焼却して、その後は、食事に行きました。和風
     のファミリーレストラン。
      既に死者が出ている、という報道がでて、それ聞いた。
      新実君のほうから、サウナに行こうかという話。
      上九、報告しないとまずいのではないか。結果的には
     麻原のところに行って、報告。
      第2上九、第6サティアン1階の麻原の自室に夕方の
     6時前後。
      麻原1人だけがいました。
      事件の報告を新実が。
      それぞれが、自分の名前を名乗る。その後に新実が。
      被害者の中に死者が出ている。
      いいか、これはポアだから。
      グルと真理勝者〜ポアされてよかったね、1万回唱え
     るように。
      わたしは、麻原が死んだ人たちのことを思って、そう
     いうふうに言ってると思えませんでした。
      おはぎをもらいました。もしかしたら、ジュースもも
     らったかもしれない。ジュースは何度ももらっているか
     らはっきりしない。
      その後は上九を離れて、平田信と転々。
      旅館。そこで、強制捜査があったことを知った。
      井上と行動をともに。自動小銃の証拠隠滅。
      新実、青酸ガス事件も起こしています。
      わたしとわたしの身近なものたちで共同生活をするよ
     うになりました。
      4月前後頃、中川君と合流した。
      中川君と一緒に。逮捕されるまで。」
検察官さん「あなたにも不利益なことを証言した。」
林泰男さん「被害をうけた方、亡くなられた方、申し訳ない。
      それが一番。」

 次回の確認。次回は地下鉄サリン関係だけの証人尋問。
 3月18日(木)10時から。
 林証人に対する、反対尋問。

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 この裁判を傍聴して思ったのは、検察というのは、随分細かいこ
とまで確認するのだな、ということです。部屋の間取りまで確認す
るという。
 淡々と行われる検察官さんと林さんのやりとりを聞いていて、申
し訳ないことに、正直言って眠くなりました。風邪薬を飲んでいた
こともあったかもしれませんが。おおよそのことは、他の裁判で、
出ていた話ですし。
 事実関係の確認は大切なことなのですが、わたしは、お弟子さん
たちの心情のほうが、ずっと興味があるのだということを、改めて
感じました。つい、メモを取る手もそいう内容に比べて働かなくな
ってしまいました。(実はあれだけメモするのはかなりたいへんで
す。手を休める暇がありません。)
 とはいえ、こうして、書き起こしてみると、改めて、ものすごい
ことが語られていたのだな、と思います。実行犯の口から語られる
内容の生々しさ。
 オウム裁判を随分傍聴しているらしい方とお話しすることができ
たのですが、林泰男さんは誠実なひとだとおっしゃってました。
 中川さんをみて、あのひとが赤ちゃんを殺したのかと、信じられ
ない思いがします。ただ、先入観があるせいかもしれませんが、に
こやかな表情をしているにもかかわらず、目などがあたえる印象に
凄惨なものを感じました。何か、とてつもない闇を見てきたのでは
ないかと感じさせるような。
 穏やかさやさしさと凄惨さが同居したような、不思議な印象を感
じました。
 ところで、もしかしたら、わたしの聞き漏らしや勘違いかもしれ
ないのですが、林泰男さんが、村井さんからの電話を携帯で受けた
としたら、村井さんはどこにいたのかな、という。
 井上さんは既に携帯が通じず、もう上九一色の近くにいるのだろ
うとい話もあったと思いました。上九一色村は、携帯電話が通じな
いらしいのです。
 あと、林泰男さんが、自分の乗った電車の時間をよく憶えてない
というような話をしていまして、人の記憶は、あまりあてにならな
ものだな、ということを改めて感じました。
 残念だったのは、中川さんが直接語るのを聞くことができなかっ
たこと。もっとも、以前はよく話していたようなのですが、最近は
話さなくなってしまったとのこと。
 今回は中川さんの弁護人さんが変わって、3回目らしいです。高
橋シズエさんが、佐木さんとそう話していらっしゃいました。そん
なことまで把握していらっしゃるのですね、高橋さんは。
 報道の方々が、今回は信者さんが傍聴にきてないとおっしゃって
ました。セミナー中だからかな、ということも。逆に、普段の中川
さんの裁判なら信者さんが来ているということでしょうか。中川さ
んは、麻原さんに帰依しているようなので、そのせいでしょうか。
 それから、午後あまりに人が少なくなったので、呆然と傍聴席を
見まわしていたら、佐木隆三さんがにこにこしていらっしゃいまし
た。
 掲示板に以前投稿したように、わたしがもっとも関心をもってい
るオウムの被告人さんは、中川智正さん、廣瀬健一さん、豊田亨さ
んです。今後、彼らがどうなっていくのか見守っていきたいと思い
ます。