【「年金情報」2000年7月3日号 記事抜粋】

『年金のネット戦略[下]』
情報収集や開示、コスト削減に着目年金スポンサー、受託者責任も意識
【情報のすき間埋める】

「業務上の疑問を尋ねたり苦労を共有し合える場所があったなら」。故人となったある厚生年金基金の常務理事が生前にこうした願望を持ち続けていたという。仲間内でもあった基金の事務長4人はこの遺志を継ぎインターネット上で意見交換を繰り広げるサイトを立ち上げた。「ネット居酒屋『年金倶楽部』」がそれで、99年2月の開設以来、同画面へのアクセス数は1万件を超える。 好評なのは会員が自身の発言を載せる「掲示板」だ。右の画面は1例だ。(管理者注:722 723 725 が個人名を伏せて掲載された)  例えばある基金が「期首からの大量の帳簿の管理方法について教えてください」と質問すれば、事情を知る別の基金などが対応方法を事細かに回答してくれる。 現在倶楽部の登録会員は91名。名簿には基金関係者を中心に、運用機関、コンサルティング会社、出版社など年金関係者の顔ぶれが並ぶ。「あくまで手弁当(自己負担)、参加費無料の相互啓発に役立つことを目標とする私的な集まり」(年金倶楽部を運営する連合型基金事務長)であるが、ネット検索や紹介を通じて会員は増加する一方だ。 こうしたネット上の交流が活発化した背景には基金特有の事情がある 。制度や業務内容が複雑なうえに、小規模の単独・連合型基金では新任の役職員に十分な引継ぎが出来ないことが多く、もともと他の基金の経験者に実務相談をするケースが多かった。掲示板の設置により、「首都圏以外の年金関係者との情報交換が可能になったほか、年金数理人など識者の参加により、退職給付債務や株式の信託設定など専門的な疑問についても早い回答が得られるようになった」(運営管理者)。会員が基金事務の閑散期に実際に顔を合わせる「オフ会」もあり、「新会員など普段は顔の分からない仲間と名刺交換がてら語り合う場となっている」(会員のN基金のT事務長)。    
                 <以下略>


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